Amazonプライム・ビデオで配信中の自動車番組「The Grand Tour」でおなじみのジェレミー・クラークソンが英「The Sunday Times」に寄稿した記事を日本語で紹介します。

今回紹介するのは、イーロン・マスクとジェレミー・クラークソンの因縁について書かれたコラム記事です。
ある日突然、世界中でテスラへの称賛が止み、逆にテスラ車のドアミラーが破壊されるようになった。笑えない事態ではあるものの、私からすると少し笑える。
イーロン・マスクと私には因縁がある。私は2008年にTop Gearで初期のテスラ車を手厳しく、そして公正に評価した。信頼性が低く(事実だ)、値段が異常に高く(事実だ)、重くて操作性が悪い(事実だ)と評した。マスクはこれに激怒し、名誉毀損で我々を訴えた。彼の主張によると、私は電気自動車を嫌っていて、車に乗りもせずに酷評したそうだ。
彼は敗訴し、控訴までしたがそれも棄却された。それでも彼は、私が電気自動車に対する偏見を持っていて、故障したように番組で虚偽の演出をしたと主張し続けた。そんなはずはない。私も彼を訴え返そうと思ったのだが、そんなことをすれば彼は私を小児性愛者呼ばわりするだろうから、関わるのをやめて彼が自爆するのを待った。そして今、ようやくそれが現実となった。
ドナルド・トランプがマスクを政府効率化省のトップに指名した結果、左翼が暴走を始めた。ベルファストのショールームやドイツの街中、ラスベガスのディーラーなど、さまざまな場所でテスラ車が襲撃されている。火を付けられたり、銃撃されたりといった事件も発生している。
事態が深刻化した結果、地球を救う(渋滞税を節約する)ためにテスラを購入した私の友人のひとりは、「マスクがアホだと気付かずにテスラを購入してしまいました」と書かれたステッカーを車に貼っている。
当然、これはテスラの経営状況にも影響している。テスラの時価総額はわずか数週間で1兆7000億ドルから8000億ドルまで急落した。もっとも、これが何を意味するのかはよく分からない。「兆」とは何かも私には分からない。しかし、XやSpaceXの資金源ともなっているテスラの財務状況悪化がもたらす影響は計り知れないだろう。
事実だけを端的に記そう。私は常に公正な自動車レビューを行ってきた。それを否定したマスクはしっぺ返しを食らうことになった。なにより痛快なのは、現在マスクを攻撃している人々が、マスクを最初に持ち上げた人々と同じということだ。環境保護主義者、すなわちエド・ミリバンドやアル・ゴアの弟子たちだ。
彼らは風力や太陽光だけで走ることのできる電気自動車を気に入り、マスクがウクライナの哀れな兵士たちにStarlinkというエコな通信手段を提供したことをかつては絶賛していた。マスクは彼らにとってヒーローであり、初期のテスラを酷評した私は彼らにとっては敵だった。心優しい博愛主義者であるマスクを否定するジェレミー・クラークソンという奴はとんでもない悪人だ。そんな思いでテスラのオーナーとなった人々は、今、自分の愛車を破壊する同志たちに囲まれて、どんな気持ちになっているのだろうか。

同じようなことが他にも起こらないだろうか。例えば、オーツミルク製造の最大手企業の社長が『我が闘争』を愛読していることが明らかになったらどうだろうか。KKKのメンバーたちがアボカドを自分たちに塗りたくっていたことが明らかになったとしたら。
少し前は、健康への不安から特定の商品が廃れるということがよくあった。しかし、現代では商品が消える原因のほとんどは政治的なものだ。私にいい考えがある。ヒトラーはベジタリアンだった。肉を食べないことでよりアーリア人らしくあれると考えた。そんな話が流布されれば、ベジタリアンこそがナチスであるとみなされることだろう。
面白そうなので、ぜひこれを拡散してほしい。ある条件下では回転する風車がハーケンクロイツに見えるという投稿をするのもいいかもしれない。最近の左翼はかなりヒステリックになっているため、こんな投稿が拡散されれば1週間もしないうちに世界中の風車が破壊し尽くされることだろう。
中立的なことを言うと、こういったことは左翼に限らず起こる。バドワイザーの炎上事件が良い例だ。ただし、左翼のほうが圧倒的に過激で暴力的だ。なぜなら、左翼の多くが無職で、他にやるべきことがないからだ。右翼がバドワイザーに対してしたのは不買程度のものだ。一方、左翼に石油やミソジニーの話題を振れば、狂犬病に罹患したかのごとく暴れまわる。
ただ、少し冷静になってみよう。テスラにはおよそ12万5000人もの従業員がいる。正直なことを言うと、彼らの上司がヒトラー風の敬礼をしたからといって、彼ら全員が失業の危機に瀕するのはあまりにも不憫だ。
騙されてテスラを買った愚か者たちのことも考えてみてほしい。彼らは必死で働いた稼ぎを費やして、良心からテスラを購入した。私からすればタイヤの付いた白物家電にしか見えないものの、彼らにとっては誇りであり歓びだった。脇毛を生やした無職に彼らの車を燃やす権利などあろうはずがない。そもそも、テスラの代わりとなるような電気自動車は存在しない。ポルシェやミニ用の急速充電器など街中探してもどこにもない。
17年前、私は「テスラなど購入してもろくなことにならない」と忠告した。テスラオーナーたちはその忠告を聞き入れず、自らマスクを信じる道を選んだ。それもまた事実だ。
その結果、テスラオーナーたちは鍵付きのガレージに車を保管しなければならなくなった。車が使えなくなれば、公共交通機関を使わざるをえなくなる。そうして、テスラを燃やす無職たちとともにバスに乗り、本物の”車”に乗っている人々からは負け組扱いされることになる。


単に自分達のイデオロギーの宣伝やステータスの誇示という前時代的な思考で買ってるだけで愛情なんてみじんも無いのだろうな(もちろんそうでない人も当然いるが)
車が好きな人間は好きでなくても他人の車を破壊する暴挙なんて絶対やらないから・・・
auto2014
が
しました