英国「Auto Express」によるメルセデスAMG E53クーペの試乗レポートを日本語で紹介します。


E53

AMGが新たに設定した53シリーズは獰猛な63シリーズと標準モデルの中間的な存在だ。電動コンプレッサー採用による燃費改善はそれほど大きくないのだが、少なくともパフォーマンスは十分に引き出せている。E53の走行性能は最高とまでは言えないのだが、速くて実用的で上質なラグジュアリークーペとしての実力は高い。

近年のメルセデスは電動化に力を入れている。エントリーモデルのCクラスからSクラスまで続々と電動化しており、2022年までに10車種の電気自動車の投入も計画されている。

しかし、そんな状況にあっても、AMGのモデルが手抜きになったりはしていない。実際、メルセデスは新たに53シリーズの投入を決定した。そのうちの1台が今回の主題でもあるE53クーペだ。

rear

お馴染みの直列6気筒3.0Lエンジンに9速ATを組み合わせ、48Vハイブリッドシステムや電動コンプレッサーも採用している。このハイブリッドシステムは燃費性能の向上を主目的に採用されたわけではなく、あくまでターボラグを改善し、応答性を高めるためのものだ。

実際、E53のパフォーマンスはかなり高い。V8モデルほどの強烈な加速感はないのだが、それでも加速性能は圧倒的だ。ラウンドアバウトの出口からアクセルを踏み込めば、瞬く間に制限速度を超過してしまう。

ただ、Eクラスクーペのボディサイズは大きく、重量もある。安定性は高く、安心して運転することはできるのだが、運転していて特別楽しいわけではない。とはいえ、4WDシステム「4MATIC+」と滑らかなトランスミッションの組み合わせのおかげで、田舎道であってもそれなりのペースで飛ばすことができる。

しかし、E53が本領を発揮するのはやはり高速道路だろう。舗装が悪い路面ではそれほど乗り心地は良くないのだが、大きめのアンジュレーションであればしっかりといなしてくれる。半自動運転技術も備わっているので長距離移動は非常に快適だ。

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48Vハイブリッドシステムのおかげで応答性は向上しているのだが、それ以外にハイブリッドシステムの恩恵を感じることはほとんどできない。アイドリングストップのタイミングは少し早めなのだが、街中であってもモーターのみで走行することはできない。

E53の勇ましい排気音は魅力的だ。E63のおどろおどろしい音には敵わないものの、アクセルを踏み込んだときの音は非常に心地良い。

当然ながら、内装は他のEクラス同様に高級感があるし、E53には12.3インチの液晶メーターが標準装備されている。試乗車にはブラックレザーシートおよびレッドステッチ、64色アンビエントライト、プライバシーガラスも装備されていた。

外装では専用の排気管やAMGバッジが装備されているが、それ以外に標準のEクラスとの違いは少ない。ホイールは19インチで、LEDライトも装備される。