ニュージーランド「Autocar」によるアウディ A5スポーツバックの試乗レポートを日本語で紹介します。




ベース車であるA4同様、A5スポーツバックもMLBプラットフォームを採用しているため、従来型と比較すると全長、全幅ともに拡大している一方で、車重は最大85kg軽量化している。標準仕様車の重量は1,535kgなのだが、試乗車はアダプティブダンパーやヘッドアップディスプレイ(いずれも2,800ニュージーランド・ドル)などの装備が付いていたため、少し重くなっているだろう。価格は98,400ドル(試乗車は105,200ドル)で、2.0Lの4気筒エンジンを搭載する大型セダンとしてはそこそこの価格だ。
とはいえ、このターボエンジンは最高出力252PS、最大トルク37.7kgf·mを発揮し、0-100km/h加速は5.6秒を記録する。クワトロ4WDシステムのおかげで発進は滑らかで俊敏だ。
見た目も面白い。斜めから見ると美しく、真横から見るとクーペ風のルーフによって長さが強調されている。全長4,730mmとそれなりに長く、荷室容量は480Lと十分確保されているのだが、リアシートには大人2人しか座ることができない。

それでもインテリアは魅力的だ。バーチャルコックピットやワイヤレス充電、3ゾーンエアコンが装備されており、インフォテインメントシステムはシンプルで扱いやすく、内装に使われているアルミパネルも上質だ。レザーシートやパーキングカメラ、アクティブクルーズコントロール、レーンアシスト、ナビ、オートハイビームなども標準装備となる。ライトはLEDではなくキセノンだ。
通常、4WDシステムは駆動力を前輪40%、後輪60%に分配する。ほかにパッシブトルクベクタリングも装備されている。オプションのアダプティブダンパーは十分おすすめできる装備だ。ダイナミックモードであっても道の凹凸に問題なく対処してくれる。ひょっとしたら試乗車が標準の18インチホイールを履いていたことも関係しているかもしれない。おかげで静粛性も高く、走行時の騒音は最大でも70dBだった。
エンジン搭載位置はフロントアクスルよりも前方なのだが、前後重量配分は55:45となっている。さらに4WDは後輪寄りに駆動力を分配し、トルクベクタリングの働きもあるため、コーナーを速く安定して抜けることができる。ドライ路面では相当酷使しない限りアンダーステアを呈することはない。ただ、残念ながらステアフィールはやや欠乏している。

4WDシステムと高性能タイヤ(ポテンザ)、そして適切な前後重量配分のおかげで運転中の安心感も非常に高い。ダイナミックモードにするとエンジンとトランスミッションの応答性が上がるのだが、基本的には快適性と操作性のバランスが良いオートモードで走っていた。追い越し時や山道などではシフトレバーをSモードに変えたりもしたのだが、ギア比が高めなので燃費が9km/Lを下回ることはあまりなかった。
ただし、同じエンジンを搭載するアウディ A4セダンは92,400ドルで購入できるし、フォルクスワーゲン・パサートなら280PSのワゴンが71,740ドルで購入できる。もちろん、どちらもA5とほぼ同じ4WDシステムを採用している。
auto2014
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