英国「Auto Express」によるアウディ A3スポーツバック 1.4 TFSIの試乗レポートを日本語で紹介します。



A3

アウディ A3は実用性が高く高級感もあるので高い評価を得ている。中でも1.4 TFSIはオールラウンダーだ。街中では静かで快適だし、郊外に出れば十分なパフォーマンスを発揮してくれる。装備内容が物足りない部分もあるのだが、作りがしっかりしているので十分満足できる仕上がりだ。

3ドアのA3同様、5ドアのスポーツバックも1.4 TFSIは最高出力122PSを発揮する。今回はA3の中でも最も出力の低いこのモデルがイギリスでどれだけ通用するのかを試した。

小排気量ながら、1.4 TFSIは決して遅くはない。発進時の応答性は高く、無変速での加速性能も十分高い。非常に滑らかだし、かすかにターボチャージャーの音も聞こえるので、運転を楽しむこともできる。

6速MTの操作感は軽く、A3の性格にもよく合っている。ただし、1,480ポンド高いDSG車のほうがカタログ燃費はわずかながら良好だ。

rear

エントリーグレード「SE」は低速域でスピードバンプに乗り上げると揺すられてしまうのだが、基本的に乗り心地はしなやかで快適だ。より硬いスポーツサスペンションも設定されるのだが、それによる走行性能向上が快適性の低下に見合っているとは思えない。ただ最大の不満はステアリングだ。軽くて応答性も良いのだが、フィードバックが欠如している。

スポーツバックは3ドアモデルよりも620ポンド高く、燃費は0.4km/L低下して18.9km/Lとなっており、CO2排出量は3g/km増加している。

スポーツバックは5ドアになったことでリアシートへのアクセス性が向上しているだけでなく、リアのレッグルームが拡大し、荷室容量も380L(セアト・レオンと同一)まで増加している。

「SE」には16インチアルミホイールやリアスポイラー、アウディ ミュージックインターフェース対応の5.8インチカラーディスプレイ(Bluetooth対応)が標準装備される。

interior

アウディといえば内装の質感の高さに定評があるのだが、A3の内装も作りが良くデザインもスタイリッシュだ。ステアリングスイッチも装備されており、シートのサポート性も高い。

エントリーグレードには欠点もあるのだが、全体的に見ればかなり完成度は高い。エンジンは滑らかで応答性が良く、経済性も高い。街中での駐車も難なくできるし、郊外での運転を楽しむこともできる。唯一の問題は、燃費も出力も同じエンジンを搭載するフォルクスワーゲン・ゴルフが数百ポンド安く買えるという点だ。

けれど、A3が欲しいと思っているなら、スポーツバックの1.4 TFSIは比較的低価格で現実的な選択肢になるだろう。


Audi A3 Sportback TFSI