「The West Australian」によるシトロエン C5エアクロスの試乗レポートを日本語で紹介します。




自動車メーカーは多額の予算とノウハウを費やし、快適性の向上に努めている。複雑なサスペンションや最先端のダンパーなど、さまざまな試みがなされているのだが、どれだけ工夫を凝らそうともシートの出来が悪ければ台無しになってしまう。
幸い、シトロエン C5エアクロスのシートは優秀だ。マットレスを参考に設計されたシートはたくさんの人から称賛されている。
シトロエンはサスペンションも手を抜かなかった。プログレッシブ・ハイドロリック・クッションという技術が採用され、滑らかな乗り心地を実現している。
シートとサスペンションがしっかり設計されているので、競争の非常に激しいミドルクラスSUVの中でもC5エアクロスにはしっかり強みがある。
しかし、その乗り心地を体験してもらうためにはまず顧客が検討しないことには始まらない。シトロエンはオーストラリアではそれほど人気がなく、2019年の販売台数はわずか400台で、売り上げのほとんどがベルランゴだ。

もしC5エアクロスを購入しても、周りと被ることはないだろう。それに、見た目は個性的で目立つし、かといってC4カクタスほど奇抜なわけではない。
内装は非常に実直だ。変なギミックなどなく、使いづらい部分はほとんどない(ただしボンネットは助手席側のレバーから開ける必要がある)。
今回は最上級グレードの「Shine」に試乗した。シートはレザーとファブリックの複合素材で、19インチアルミホイールやスマートフォン用のワイヤレス充電器、ラミネートガラス、アルミペダルが装備される。
エントリーグレードの「Feel」と比べると4,000豪ドル高いのだが、差額分の価値があるとは思えなかった。エントリーグレードでも12.3インチドライバーディスプレイ、8インチタッチスクリーン、デジタルラジオ、各種先進安全装備、キーレスエントリーなど必要なものは備わっている。
少なくとも装備は問題なく使える。ディスプレイの操作感はサクサクしているし、ストレスなく使える。

C5エアクロスの走行性能は必要十分だ。1.6L 4気筒ターボエンジンは最高出力165PS、最大トルク24.5kgf·mを発揮する。非欧州系の競合車と比べるとスペック的に見劣りするし、実際に加速性能はそれほど高くない。
トランスミッションはそれほど滑らかではないのだが、過剰に燃費志向ではないのでしっかりギアをホールドしてくれる。
C5エアクロスは快適性こそ高いものの、長距離移動に使うにしても欠点がある。19インチホイールのせいで路面が悪いと騒音が大きくなるし、荷室は580L(2列目シートを前にスライドさせると720Lまで拡大)と広いのだが、そのせいでリアのレッグルームは狭い。
ただし、最小回転半径が小さいため都市部では非常に扱いやすく、スーパーの狭い駐車場でも苦労することはほとんどない。
C5エアクロスはシトロエンの中でも魅力的なモデルで、特に快適性を重視しているならば検討する価値もあるだろう。ただ、コストパフォーマンスはエントリーグレードのほうが高いし、リアシートに大柄な人が座るのは厳しい。
楽しく拝見させていただきました。
auto2014
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