米国「Automobile」によるキャデラック CT5-Vの試乗レポートを日本語で紹介します。


CT5-V

今回は量販前にキャデラックの新型CT5-Vに試乗した。最高出力365PSのツインターボV6エンジンを搭載するCT5-Vは滑らかで静粛性も高く、2021年に登場が予定されている「CT5-V ブラックウイング」ほど本格的ではないものの、けたたましい排気音はなかなか爽快だ。

キャデラックの新しいVシリーズは”中庸”的な存在で、メルセデスAMGの入門モデルやBMW Mパフォーマンスと似たような立ち位置だ。CT5-Vに最も近いのは、手作業で組み立てられた4.0LツインターボV8エンジンを搭載するAMG E63Sではなく、あくまでAMGが”手を加えた”3.0L 直6ターボエンジンを搭載するE53だろう。

走行中、キャデラックのV6エンジンは穏やかな低音を響かせる。高速でも街中でも快適で静粛性も高い。試乗車が標準装着の19インチホイールを履いていたことも関係しているだろう。他に600ドルのオプションとして10スポークの20インチアルミホイールも選択できる。

rear

アイドリングストップシステムが装備されており、スイッチでオフにすることもできるのだが、あえてそうする必要性もないだろう。GMのアイドリングストップシステムは比較的滑らかで不快感が少なく、このような高性能エンジンとの組み合わせでも不満は感じなかった。

停止状態からアクセルを踏み込むと、トラクションコントロールが介入するまでの間、リアタイヤが少しだけグリップを失う。これは嬉しいポイントだ。キャデラックは昔から、メルセデスやBMW、レクサスと比べてトラクションコントロールやスタビリティコントロールの介入が穏やかで、それでいて本当に危険な状況はしっかりと防いでくれる。56.0kgf·mという大トルクを持ちながらも、スポーツモードやツアーモードにしても制御不能に陥ることはなかった。

ステアリングは最近のキャデラックらしく、クイックで応答性が高く、フィードバックもしっかり存在する。幸い、キャデラックがベンチマークとしたのは4世代か5世代前のBMWのようだ。今のBMWは昔の良さを取り戻そうと苦心している。

interior

試乗車にはFE3マグネティックライドサスペンションが装備されており、舗装の悪い高速道路でもスポーツモードとツアーモードの乗り心地はほとんど変わらなかった。コーナリング性能を試す機会はほとんどなかったのだが、ロールは抑えられており、穏やかにコーナーを抜けることができた。実際の車重は2トン近いのだが、それより軽やかに感じられた。

今回は1日だけの試乗だったのだが、メルセデスAMGやBMWの競合車と比べても同じくらい楽しめる車に仕上がっているように感じた。