カナダ「Driving」によるホンダ・アコードハイブリッド(2014年モデル)の試乗レポートを日本語で紹介します。

※内容は2013年当時のものです。


Accord Hybrid

ホンダはエコカーの新たな方針を打ち出し、新型アコードハイブリッドを発売した。アコードハイブリッドは2モーターのSPORT HYBRID i-MMD (Intelligent Multi-Mode Drive) と呼ばれるハイブリッドシステムを採用する。

ホンダが販売する他のハイブリッドカー(シビックハイブリッド、CR-Z、インサイト)はIMA (Integrated Motor Assist) と呼ばれるパラレルハイブリッドシステムを採用している。この場合、モーターはあくまでエンジンを補助するだけで、モーター単体が駆動力になるわけではない。

アコードハイブリッドが採用するi-MMDは3種類の走行モード(EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブ)を使い分けることで効率性、経済性を高めている。

アコードハイブリッドはNRC基準でシティ燃費27.0km/L、ハイウェイ燃費25.0km/L、複合燃費26.3km/Lを実現している。これはミドルクラスセダンとしては最高の燃費性能で、特に複合燃費は5ドア車も含め、すべてのミドルクラス車の中で最も優れた数字となっている。

rear

アコードハイブリッドには最高出力143PSの2.0L 直列4気筒アトキンソンサイクルガソリンエンジンが搭載される。このエンジンは基本的には発電機を駆動し、リチウムイオンバッテリーに充電を行うか、電気CVTを介して168PSのモーターを駆動させる。システム出力は199PSとなる。i-MMDではさらに、中高速域においてエンジンのみで走行することも可能となっている。

ホンダによると、このハイブリッドシステムはアコード専用設計ではなく、他のモデルにも採用されていくそうだ。

アコードハイブリッドは燃費性能向上のために多くの部分が専用設計となっている。フロントサブフレームはアルミ製(標準のアコードはアルミ以外にスチールも使われている)となっており、リアに搭載されるバッテリーによる重量増の影響を抑え、前後重量配分を改善するため、リアバンパービームもアルミ製となっている。

エクステリアデザインは基本的に通常のアコードと変わらないのだが、ハイブリッドにはブルーのアクセントが入った専用フロントグリルや専用ヘッドランプ、専用アルミホイール、トランクリッドスポイラーが装備される。

interior

メーター内のカラー液晶にはエネルギーフローやエコガイド、エコスコアなどが表示され、メーターに表示されるエコアシストによって経済的な運転をしているかどうかがひと目で分かるようになっている。スピードメーターの左側には出力/回生量を表示するメーターとシフトインジケーターが配置され、右側にはバッテリーおよび燃料の残量計が配置される。

今回はヨーク地域の幹線道路や地方道などを80km試乗したのだが、その際の燃費はかなり良好だった。今回は80km/h以上は出さなかったのだが、実燃費は23.3km/Lだった。もちろん、なるべくエコドライブをしようと心掛けはしたのだが、それでも交通の流れを乱すような運転はしなかった。

4気筒エンジンは高回転域までいくと少しうるさいと感じることもあった。しかし、電動サーボブレーキのおかげで制動はかなり滑らかだった。一般的なハイブリッドカーの制動時に感じる引っかかり感はなかった。