英国「Evo」によるフェラーリ 365GTB/4のレビューを日本語で紹介します。


Daytona

デイトナは販売当時市販車最速のスーパーカーで、媒体によっては最高速度283km/h、0-160km/h加速12.4秒を記録したというデータも存在する。デイトナにはすべてが揃っていた。圧倒的な加速、長いボンネット、そして堂々たるV12のパワー。

ランボルギーニ・ミウラと競合するデイトナはフェラーリ初のスーパーカーと言われている。正式な車名はデイトナではなく365GTB/4なのだが、1967年のデイトナ24時間レースでフェラーリが1-2-3フィニッシュを果たしたことから、「デイトナ」という愛称で親しまれるようになった。

rear

デイトナは記憶に残る車だ。4カムシャフトエンジンの悲鳴、低くうなるような排気音、トランスミッションの金属音、重々しいクラッチ、首を押し付ける加速。すべてがスーパーカーらしく、そしてイタリアらしかった。

デイトナはただ直線加速だけを追求した車ではない。トランスアクスルを採用したおかげで前後重量配分がほぼ均等なので、そこそこ重いにもかかわらずハンドリングは優れている。F1カーからインスパイアされたセンターロックの鋳造ホイールも本格的だ。ただ、アシストなしのステアリングはかなり重い。この車の運転には忍耐力が要求される。

interior

デイトナはドリフトをするための車ではない。事実、デイトナがドリフトしている写真など探してもほとんど見つからないはずだ。この車は自分の意図通りのラインを走ることを楽しむための車だ。デイトナは非常に素直なのだが、ステアリングはトラックのように重い。

デイトナで快適に移動することなど不可能だ。これは決してオールラウンダーではないのだが、スーパーカーというのはそういうものだ。