英国「Auto Express」によるアウディ Q3の試乗レポートを日本語で紹介します。


Q3

初代アウディ Q3は2011年に登場し、それからさまざまな競合車が登場した。中でもBMW X1やボルボ XC40など設計の新しい競合車と比べると、さすがに古さは隠しきれなくなってきている。そんななか登場した新型Q3はQ3らしさを受け継ぎつつも新しさもあるモデルに仕上がっている。

新型Q3はよりSUVらしいスタイリングとなっている。ボンネットは高くてフラットだし、フロントウインドウは切り立っており、より引き締まった印象だ。六角形グリルや大きなホイールアーチの効果もあり、非常にスタイリッシュな仕上がりとなっている。

従来型Q3の最大の問題点はインテリアだったのだが、新型では大幅に改善している。内装の質感は期待通りで、先進装備も充実している。

メーターは従来のアナログ式に代わって10.25インチのディスプレイとなっている。12.3インチの大画面仕様も設定されるのだが、こちらの見た目は素晴らしい。他のアウディ車同様、メーターディスプレイには走行情報やナビ、Google Earthなどを表示することができる。

ダッシュボード中央には10インチのディスプレイが配置される。こちらは反応も早くて使いやすく、A8のような触覚フィードバックはないのだが、それでも直感的に扱える。全体的にインテリアは非常にクリーンな印象なのだが、物理ボタンが少なすぎるのも考えものだ。

Q3の内装には一般的な金属やプラスチックだけでなく、変わった材質も使われている。ダッシュボードはアルカンターラで覆うこともでき、色もグレー、ベージュ、さらにはオレンジまで選択することができる。アンビエントライトも洒落ているので、車内の雰囲気はかなり良い。

interior

内装だけでなく走りも洗練されている。Q3の走りはあらゆる面でクラスの平均を上回っている。楽しさではBMW X1に負けるのだが(ステアフィールが希薄すぎる)、ターンインは鋭いし、グリップ性能も高いので、走りは決して悪くない。

旧型Q3は乗り心地も悪かったのだが、2代目となって快適性はしっかり向上している。大径ホイールを履き、スポーツサスペンションを装備したSラインであっても、クラストップレベルの快適性を実現している。オプションのアダプティブダンパーを装備すると乗り心地はさらに向上する。

エンジンは5種類から選択できる。ガソリンエンジンは3種類で、150PSの1.5Lターボエンジン(35 TFSI)はFFのみの設定となる。2.0Lガソリンエンジンは190PS(40 TFSI)および230PS(45 TFSI)の2種類が設定され、いずれも4WDが設定される。今回は230PSの45 TFSIに試乗した。こちらは0-100km/h加速6.3秒と速いのだが、Q3にはもう少しスペックを抑えたエンジンのほうが合っているように感じた。

ディーゼルには150PS仕様および190PS仕様の2.0Lエンジンが用意される。150PS仕様にはDCTのほかにマニュアルトランスミッションも設定される。

トランスミッションはQ3の弱点のひとつだ。MTはやや鈍いし、7速DCTも時折ラグを感じる。基本性能が高いだけにどうしてもこういった部分が気になってしまう。

ボディサイズは全長が97mm、全幅が18mm拡大しており、全高は5mm低くなっている。実際にリアシートに乗り込んでみると室内空間が拡大していることが体感できる。中央席は座面がやや硬いのだが、ニールーム、ヘッドルームいずれも広大だ。室内空間はBMW X1のほうが広いのだが、差はそれほど大きくない。

rear

リアシートは150mmの前後スライドが可能で、リアシートをリクライニングさせることもできる。リアシートを最大限後ろにスライドさせた状態だと荷室容量は530Lあり、この状態でもBMW X1(505L)やボルボ XC40(432L)より広い。シートを前にスライドさせればさらに荷室は拡大し、最前端だと荷室容量は675Lまで拡大するのだが、この状態では子供くらいしか座れない。

Q3は顧客の選択自由度が高く、3種類のエクステリアと3種類のインテリアから好きな組み合わせを選ぶことができる。エクステリアは標準仕様のほか「アドバンスト」、「Sライン」の計3種類があり、インテリアは標準仕様以外に「デザイン」、「Sライン」を選択できる。

どのグレードも装備内容は充実しており、全車にLEDライト、オートエアコン、本革ステアリングが標準装備される。DCT車にはアダプティブクルーズコントロール(ステアリング操作補助や高速道路走行中のブレーキ・アクセル操作を行ってくれる準自動運転仕様)も装備される。

新型Q3は優秀なオールラウンダーだ。快適だし運転しやすく、実用性も高い。唯一残念なのはトランスミッションの完成度の低さだ。BMW X1ほど楽しくはないし、ボルボ XC40ほどスタイリッシュでもないのだが、それでも見た目は良いし、作りも良く、最新技術も満載されている。実際の価格設定にもよるが、新型Q3が高級コンパクトSUVの覇権を握ることになるのかもしれない。