米国「Car and Driver」によるスーパーフォーマンス フォード GT40の試乗レポートを日本語で紹介します。
モータースポーツの世界において、フォード GT40以上に重要性および貴重性の高い車は少ない。当時、ル・マン24時間レースはエンツォ・フェラーリが支配しており、GT40はそんな状況を打破するためにヘンリー・フォード2世が生み出したレーシングカーだ。初代GT40は失敗作に終わったものの、マークIIが出場した1966年にはGT40が優勝を飾った。GT40の総製造台数はわずか100台ちょっとで、現存する個体はどれもコレクターの間で高値が付いており、今では100万ドルを簡単に超えてしまう。
そんな中、シェルビー・コブラやデイトナのレプリカを製造する南アフリカのスーパーフォーマンスという会社がGT40のレプリカを生み出した。こちらであれば”わずか”125,000ドルで購入することができる。
排ガス規制や安全規制を逃れるため(GT40は現代の規制に適合できない)、レプリカはパワートレインを搭載しない状態で販売される。そして8万ドルを追加で支払うことで不足したものを補うことができる。
スーパーフォーマンスはボディサイズだけでなく製造手法まで含め、可能な限りオリジナルに忠実にレプリカを製造している。サスペンション部品の実に3分の2はそのままオリジナルにも装着できるそうだ。シフトレバーの位置は普通の車のように中央部にすることもできるし、オリジナル同様にサイドシルに配置することもできる。
ドアを開けなければごく一部の熱狂的GT40マニア以外には本物と区別することなどできないだろう。車内の違いもかなり少なく、快適性のために運転席が大型化され、12Vソケットやエアコンが装備されているくらいだ。
さまざまなフォード製V8エンジンを搭載することができるのだが、427立方インチ(7.0L)V8エンジン以外を載せるのは異端かもしれない。この427こそ、GT40をル・マンの栄光に導いたエンジンだ。試乗車に搭載されていたのはスモールブロックのウィンザー351(5.8L)で、電子制御燃料噴射装置も付いていた。
このエンジンは2万ドルで、キース・クラフト・パフォーマンス・エンジンズが製造しており、最高出力527PSを発揮する。オリジナルのZF製5速MTの復刻モデルは15,000ドルで、パワートレイン搭載費用としてさらに1万ドルかかる。
試乗車の車重は1,115kgでオリジナルよりも軽く、フォード自身が生み出した復刻モデルであるフォード GTよりもパワーウエイトレシオは優れている。
そのため、GT40は飛ぶように走る。パフォーマンスを効率的に活用するのは難しいのだが、それでも0-100km/h加速は3.4秒を記録する。ちなみに、フォード GTの0-100km/h加速はこれよりも0.1秒速いのだが、さらに高速域では逆転する。スーパーフォーマンスは240km/hまでわずか15.7秒なのだが、GTは16.9秒かかる。
しかしながら、基本設計が古いので扱いづらさもある。160km/hを超えるとフロントエンドが浮きはじめ、不安定になってしまう。エンジン音は鼓膜に響くし、アクセルペダルはかなり重く、かなり気難しい性格だ。ただし、エンジンや排気系はより静かなものも用意されているし、トランスミッションの固さは使うほどに和らいでいくそうだ。
ハンドリング性能は穏やかだ(スキッドパッドでは1.00Gを記録し、素直なアンダーステアを呈した)。全体的に走りはタイトでしっかりしており、乗り心地は意外にも許容範囲内だった。ブレーキは強力なのだが、トランスミッションは不調だった。
GT40はすべてが生々しい。スーパーフォーマンスはかろうじて街中でも走れるようになっているだけだ。
ドライバーエイド何も無いハイパワーのミッドエンジン自分ならすぐスピンしそう
auto2014
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