インド「CarTrade」によるヒュンダイ・グランドi10 ニオスの試乗レポートを日本語で紹介します。


Grand i10 Nios

ヒュンダイによると、新型グランドi10 ニオスはミレニアル世代をターゲットとした車らしいので、私はその範疇外ということになる。しかし果たして、グランドi10 ニオスは本当にミレニアル世代が求めている車なのだろうか。今回はそれを検証してみようと思う。

ヒュンダイ・サントロは賛否両論ある車なのだが、一方でグランドi10 ニオスはより安定志向の魅力的なデザインとなっている。フロントにはヒュンダイの特徴でもあるカスケードグリルが装着され、グリルがメッキではなくブラックになっている点も嬉しい。グリルの両端にはDRLが装備されており、さらにその横にはスポーティーな横広がりのヘッドランプが配置される。

サイドに目を向けると、ホイールは15インチのダイヤモンドカットアルミで、スポーティーなルーフレールも装備されている。Cピラー部分に”G-i10”の文字が刻まれているのも特徴的だ。

リアは比較的シンプルな仕上がりとなっている。控えめなスポイラーとフェイクのディフューザーはスポーティーさを演出している。テールランプのデザインは平凡なのだが、急制動時にはエマージェンシーストップシグナル機能が作動する。グランドi10 ニオスのデザインは全体的にスポーティーな印象なので、ミレニアル世代にも受けは良さそうだ。

interior

インテリアも好印象で、デザインはすっきりしている。前席はヘッドレスト固定式ながらも座り心地は良い。リアシートは十分なレッグルームが確保されており、なにより座面のサポート性が良いので長距離移動も苦にならないだろう。他の小型車も同様なのだが、4人での移動は十分快適でも、5人で乗るとなると少し閉塞感があるだろう。

グランドi10 ニオスには使いやすい8インチのインフォテインメントシステムが装備される。BluetoothやApple CarPlay, Android Autoといったスマートフォン連携機能はちゃんと用意されており、ボイスコマンド機能やワイヤレス充電機能なども付いている。荷室容量も260Lと十分に確保されている。

エンジンはグランドi10(旧型モデル)と共通で、スペックもまったく変わらない。1.2Lの4気筒ガソリンと1.2Lの3気筒ディーゼルに5速MTもしくは5速AMTが組み合わせられる。今回は最高出力83PS、最大トルク11.7kgf·mのガソリン仕様に試乗した。

エンジンはかなり静かで、パワーの出方も非常に滑らかだ。低回転域から十分なトルクが発揮されるので遅い車を追い越すのも朝飯前だ。AMTは街中であれば特段問題もなく非常にシームレスな変速をしてくれるのだが、アクセルを踏み込むと粗が見えることもある。そういった状況でもしっかり加速してくれればなお楽しい車になるだろう。

rear

乗り心地やハンドリングは非常にヒュンダイ的だ。ステアリングはそれなりに重いのだが、中立域付近は少し曖昧だし、乗り心地は柔らかめなのだが、リアは舗装の悪い場所だと跳ねがちになる。

価格は49.9万ルピーから79.9万ルピーとなる。スズキ・スイフトの上級グレードと比べると35,000ルピー以上安い。グランドi10 ニオスは装備も充実しているし、優秀なAMTも選択できる。コストパフォーマンスが高いので、ミレニアル世代でなくても興味を持つ人は多いだろう。