英国「Auto Express」によるレクサス IS200tの試乗レポートを日本語で紹介します。


IS200t

レクサスはかつて、ヨーロッパにおけるディーゼル需要を無視し、ハイブリッド重視の戦略を立てた。レクサスはアジアとアメリカで成功しており、ここヨーロッパでも電動化によって顧客を満足させようと企てている。

しかし、そうはいっても幅広い客層を獲得するため、ISにも純粋ガソリン仕様のIS200tが追加された。価格はハイブリッドよりも1,000ポンド程度安く、最高出力245PSの2.0Lターボエンジンに8速ATを組み合わせる。CVT嫌いでも安心だ。

残念ながら、IS200tはさほど速くはない。BMWに採用されている優秀なZF製ATやアウディのDCT(Sトロニック)と比べると、レクサスのATは鈍さが目立つ。エンジンスペックはBMW 320iやアウディ A4 2.0 TFSI 190よりも上なのだが、普通に運転している限りではレクサスのほうが遅く感じる。

rear

なかなか意図通りのギアになってくれず、ラウンドアバウトや交差点ではもたついてしまう。このATと比べれば、無段変速機としての仕事はしっかりと果たしているIS300hのCVTのほうがまともに思える。

走り自体も3シリーズには及ばない。試乗車のF Sportには18インチ大径アルミホイールと強化サスペンションが装備されていたのだが、おかげでレクサスらしい穏やかな乗り心地は損なわれてしまっていた。とはいえ、太いリアタイヤのおかげでグリップ性能は高いし、ロールもしっかり抑えられている。ステアリングの重さも適切だ。

ランニングコストも高くついてしまう。言うまでもなくハイブリッド仕様には劣るのだが、それだけでなく競合車にも負けている。IS300h F SportのCO2排出量はわずか107g/kmなのに対し、IS200t F Sportは167g/kmと多く、自動車税は年額205ポンドとなってしまうし、カンパニーカーとしての使用を想定した場合も税制上不利になってしまう。

interior

BMW 320i M SportのCO2排出量は134g/km、アウディ A4 2.0 TFSI SラインのCO2排出量は119g/kmで、いずれもIS200tよりは少ない。ただし、IS200tの内装はかなり作りが良く、競合車と比べても遜色ない仕上がりになっている。