英国「Auto Express」によるミニクーパー コンバーチブルの試乗レポートを日本語で紹介します。


Mini

以前、ミニコンバーチブルのクーパーSに試乗したこともあるのだが、今回は1.5L 3気筒エンジンにMTを組み合わせる標準のクーパーに試乗した。

イギリス仕様のミニクーパーコンバーチブルにはハッチバックと共通のエンジンが搭載され、最高出力137PS、最大トルク31.8kgf·mを発揮する。最大トルクは1,250rpmから発揮されるため、追い越しはしやすいのだが、発進加速時には少し力不足を感じることもある。

3ドアのクーパーハッチバックは0-100km/h加速が7.9秒なのだが、コンバーチブルはルーフがない分補強のために105kg重くなっており、1秒近く遅い8.8秒となっている。ただ、必ずしも数字だけがすべてではなく、ターボエンジンは広範囲でしっかりトルクを発揮してくれるので、コンバーチブルも十分に楽しい。ただ、やはりハッチバックと比べると少し無気力に感じる。

残念ながら、燃費性能も悪化しており、ハッチバックの22.2km/Lに対し、コンバーチブルは19.6km/Lまで悪化している。ただ、それほど大きな差ではないし、晴れた日の楽しみを思えば、それくらいの代償は問題にならないだろう。ただ、CO2排出量が114g/km(ハッチバックは105g/km)なので、税額も高くなってしまう。

rear

コンバーチブル化のために車重は増えているのだが、それでもミニクーパーの運転は楽しい。ステアリングの重さは適切だし、グリップ性能も高く、ギアチェンジも滑らかなので、ちょっとした移動も楽しみに変えてくれる。ハッチバックよりは重いのだが、それでもコーナーを俊敏に抜けることはできるし、サスペンションはやや硬めながらもロールはしっかり抑えられている。

オープンカーはエンジン音をより楽しめるのだが、残念ながらクーパーの場合、そもそものエンジン音自体があまり良くない。クーパーSは排気音も含めてそれなりに良い音を楽しめるのだが、クーパーの3気筒エンジンの音は小さく、風の音に掻き消されてしまう。ただ、アクセルを離したときのウェイストゲート音は心地良い。

特に高速域では風の音がかなりうるさくなるのだが、ウインドディフレクターを装備すればこの問題は解決する。これを装備するとリアシートに人が乗れなくなってしまうのだが、これがないと同乗者が大変な思いをしてしまうので、どうあれ装備するべきだろう。ルーフを閉めた状態の車内はハッチバックより少しうるさいくらいでほとんどハッチバックと変わらない。

リアシートに人を乗せる機会はほとんどないだろうが、平均身長の成人が前に座るとリアシートのレッグルームがほとんどなくなってしまう。ただ、リアが狭いのは他のミニにも言えることだし、荷室も他のミニ同様に狭い(ルーフ格納時で160L、ルーフ展開時で215L)。

interior

内装の質感は非常に高く、ダッシュボード中央にはバックカメラ対応のスクリーンが全車に装備される。操作系はミニらしく個性的で面白いレイアウトなのだが、万人向けとは言い難い。とはいえ、中央のスタータースイッチの操作感は良好だし、シートも快適なので車内はハッチバック同様に居心地が良い。

他のミニ同様、コンバーチブルにも多数のオプションが用意されている。ユニオンジャックが描かれたファブリックルーフやシートヒーター、オートライト、雨滴感知式ワイパー、上級オーディオシステムなども用意される。キーレスゴーやエアコン、Bluetooth連携機能は標準装備だが、オプションを盛れば価格はどんどん高くなってしまう。