タイ「Bangkok Post」によるトヨタ・カローラアルティス 1.8 GR SPORTの試乗レポートを日本語で紹介します。

最近のトヨタのラインアップはかなり分かりやすくなってきた。カローラアルティスを例に挙げると、以前はスポーティーモデルとして「ESport」と「TRD Sportivo」が存在したのだが、今では新設定された「GR SPORT」のみとなっている。
カローラアルティス GR SPORTにはサイドスカートやリアスポイラー、専用フロントフェイス、専用17インチアルミホイールなどが装備されている。内装にはレザーが使われ、スポーティーな仕上がりとなっている。
標準のカローラアルティスとは異なり、GR SPORTは140PSの1.8Lガソリンエンジンを搭載する。価格は99万9000バーツとなる。125PSの1.6Lエンジンを搭載するモデルは86万9000バーツなので、価格を重視する顧客はそちらを選ぶだろうし、122PSの1.8Lハイブリッドの価格は93万9000バーツから109万9000バーツだ。
要するに、GR SPORTの顧客は、金銭的に余裕があり、見た目のスポーティーさを求めているが、ハイブリッドは求めていない層ということになる。このような顧客に向いている車は他に2車種存在する。VTECターボエンジンを搭載するホンダ・シビックと新型マツダ3だ。
スポーティーなアクセントの入ったカローラアルティス GR SPORTの見た目は万人向けではないかもしれないが、少なくとも標準のカローラアルティスとの違いははっきりしている。同様にシャープなスタイリングのシビックや欧州車的なマツダ3にもそれぞれに魅力がある。結局は個人の好き好きだろう。
インテリアは従来型と比べると大きく変わっている。ダッシュボード上部にはタッチスクリーンがある。これは扱いやすいのだが、やたら上に飛び出しているのは少し気になる。シートは快適で、ドライビングポジションも自然に取れる。内装に使われているプラスチックもソフトで上質だ。
新型カローラアルティスはTNGAプラットフォームを採用しているのだが、ホイールベースは旧型と同じ2,700mmだ。それでも、室内空間はCセグメントセダンとしては十分に広い。競合車と比べても平均的だし、これ以上大きくなってしまうとカムリとの差別化も難しくなってしまうだろう。
リアシートを倒して荷室を広げることもできる。この点を重視するタイ人はそれほどいないだろうが、競合車のセダンの中にはこのような機能がないモデルもある。
TNGAの優秀さはカムリやCH-Rで既に体験している。新型カローラで感じた最大の改善点は乗り心地だ。路面が悪い場所でもしなやかで、それでいて操作性も犠牲になっていない。特にフロントのグリップ性能はシビックよりもずっと優秀だった。ステアリングは軽くてダイレクトなので、街中でも扱いやすい。
ただし、高速安定性は特別高いわけではないし、高速域でのロードノイズも改善を要する。この点ではC-HRほど完成度は高くない。
シビックやシルフィにはガソリンターボエンジンが設定されているのだが、カローラは昔ながらの自然吸気1.8Lエンジンを搭載している。それでも、カローラのエンジンは十分に元気がある。トランスミッションはCVTながらもトルコンATのように変速してくれるし、パフォーマンスも十分に高い。
ただし、マツダ3やシビックターボと比較すると、2車線の一般道での追い越しのような場面では力不足を感じることもある。やはりいずれはカローラにもターボエンジンを搭載するべきだろう。
正直なところ、旧型から新型でカローラが格段に進化しているとは言い難い。確かに走行性能は向上しているのだが、競合車と比べて突出するほどの性能というわけではない。
上述したように、GR SPORTはエンジンが1種類しか選択できず、あくまで一部の顧客層向けのモデルだ。しかし、シャシの特性を考慮すると、ハイブリッドを選択したほうが合理的のように思える。
GR SPORTというモデルが存在するのは悪いことではない。しかし、今や世界のスポーツモデルも電動化へと歩を進めている。
いつも楽しく拝見しております。お手隙の時で構いません、北米で販売開始された次期型(2020年型)のスバル・アウトバックのレビューがありましたらよろしくお願いします。
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