英国「Top Gear」によるトヨタ AE86(カローラレビン)とGT86の比較試乗レポートを日本語で紹介します。
型番で呼ばれる車には名車が多い。1983年に登場したAE86(ハチロク)は5代目カローラの1,600cc 後輪駆動モデルのことだ。AE86にはレビン(固定式ヘッドライト)とトレノ(リトラクタブルヘッドライト)の2種類の顔があり、尻も2種類(ハッチバックとクーペ)存在する。
しかし、その直線的で単純なデザインが車好きを魅了したわけではない。この車は黄金の方程式を成立させていた。
“後輪駆動+軽量シャシ(970kg)=楽しい”
ハチロク人気の象徴として知られている男がいる。ドリフトキングこと土屋圭市だ。彼は常軌を逸したレーサーで、後続車との差に余裕があるときには、観客を楽しませるためにAE86をドリフトさせた。
彼はドリフトの天才だった。彼の山道でのドリフト走行を収めたビデオ『PLUSPY』は有名だ(知らない人は是非YouTubeで検索してみてほしい)。このビデオは低予算の粗悪な作品なのだが、それでいて魅惑的だ。このビデオは瞬く間に拡散し、彼はドリフトキングとして知られるようになった。
なにより、土屋圭市は漫画『頭文字D』世代の心を掴んだ。頭文字Dとは、豆腐屋(誤植ではない)の主人公が改造したAE86で山道をドリフトして駆け抜ける姿を描いた漫画だ。
AE86の4気筒DOHCエンジンは名機だ。現代の普通車に搭載されている4気筒ターボエンジンの音は人工的で面白みがないのだが、AE86の音は実直で邪悪だ。AE86の性能を引き出すためには5速MTを操作してエンジンをしっかり回す必要がある。
BMW M3のような車とは違い、アクセルを踏み込めば簡単にドリフトできるわけではない。荷重を意識してブレーキをかけ、うまくバランスを取って操作する必要がある。最高出力はわずか130PSなので重大事故を起こす心配は少ないのだが、ドリフト状態を維持するためにはそれなりの技術が必要だ。
しかし、現代の豆腐屋に必要な車はなんだろうか。言うまでもなく、AE86の実質的な後継車、GT86(日本名: 86)だろう。GT86はトヨタの暗鬱としたベージュのラインアップの中に誕生した救世主だ。
GT86の開発者は30年間手つかずだった問題にようやく取り組むことができた。低価格で楽しい車を作るためにはどうすればいいのだろうか。もちろん、その答えは変わらない。後輪駆動+軽量シャシだ。
AE86同様、GT86の2.0L 4気筒エンジンも性能を引き出すためにはしっかりと回さなければならない。最大トルク20.9kgf·mは6,400rpmまで回さないと発揮されないため、タコメーターの針は何度もレッドゾーンに近付くことになる。
けれど、本当に運転を楽しみたいとき、GT86は輝く。機械の反応は非常に直感的で、完璧に協調する。恐怖を感じることなく限界を察知することができるし、危険な速度域まで出す必要もない。
AE86同様、ドリフトには技術が必要だ。200PSのエンジンに頼ってグリップを失わせるのではなく、しっかり荷重を計算してコントロールしなければならない。その代わり、身のこなし軽やかに、右へ左へとドリフトさせることが可能だ。
GT86はAE86から”進化”しているわけではない。しかし、これほど個性的で楽しい車に、一体どうして”進化”が必要なのだろうか。
投稿していらっしゃいますが、
今日は珍しいですね。
厚かましいお願いで
申し訳ありませんが、
日産・シルビアのレビューが
ありましたら、
投稿をよろしくお願いします。
auto2014
が
しました