英国「Top Gear」によるフォルクスワーゲン・ポロ BlueGTの試乗レポートを日本語で紹介します。

※内容は2015年当時のものです。


Polo

ポロ BlueGTはポロGTIのスポーツ性とBlueMotionの経済性を掛け合わせたモデルだ。BlueMotionといえば追越車線居座り常習犯のパサートディーゼルが有名なのだが、BlueGTはそんな現状を変えようとしている。

スモークヘッドランプや控えめな外装パーツはGTIのデザインを反映しており、一方でアダプティブクルーズコントロールや衝突警報のような贅沢装備も付いている。もちろん、名前がBlueGTであっても、ブルー以外のボディカラーを選ぶこともできる。

ここで主要スペックを記すことにしよう。価格は17,860ポンドで、ポロGTIよりも1,000ポンド安い。BlueGTには1.4Lガソリンターボエンジンが搭載され、最高出力はGTIより43PS少ない150PSとなる。0-100km/h加速は7.8秒でGTIよりも1秒遅いのだが、燃費は21.3km/Lで、税金も安いので、GTIよりも維持費は抑えることができる。

rear

BlueGTの優れた燃費性能は気筒休止システムの恩恵によるものだ。TSIエンジンの4気筒のうち2気筒は低負荷時(高速巡航時など)に休止する。静粛性もそれほど犠牲になっていないし、気筒休止システムの作動が気になることもそうそうないだろう。

ずっと運転していると2気筒になったときの音の違いを感じることはできるのだが、その音が鬱陶しいわけではない。それに、この違いを知ることでどうやって運転したら2気筒で走れるかを意識するようになり、より経済的な(環境に優しい)運転ができるようになるだろう。

BlueGTの走りは優秀で、快適性も高い。ホットハッチほどの興奮は感じないのだが、いかに見た目をホットハッチ風に飾り立てたところで、そもそもBlueGTはホットハッチなどでは決してない。

乗り心地はしなやかで、ステアリングは軽く直感的に扱えるし、グリップ性能も十分なので、気楽にそこそこ飛ばすことができる。オプションのDSGを装備すればなおのこと運転は楽だ。電子制御ディファレンシャル「XDS」には本物のLSDのような暴力的な楽しさはないのだが、それでもちゃんと駆動輪である前輪の操作性を高めていくれる。

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エンジンフィールはスペック上の数字以上にGTIとの差があり、個性もあまりない。とはいえ、非常に滑らかなエンジンなので、特にこれくらいの小型車であれば、ディーゼルエンジンよりはよっぽど好ましいだろう。

なかなか歯切れの悪い評価になってしまった。しかし、これがまさにBlueGTの本質だ。BlueGTは優秀な車だし、致命的な欠点のようなものも存在しない。

しかし、BlueGTよりも安価な1.2Lモデルはこれと同じくらい楽しい車だし、試乗時のBlueGTの実燃費はせいぜい16km/Lで、ポロGTIと大して変わらなかった。走行性能と経済性の両立を謳いながらも、結局はどちらも微妙な結果に終わってしまっている。ポロ自体は素晴らしい車なのだが、購入するなら中庸を選ぶよりもどちらかに突出したモデルを選ぶべきだろう。