英国「Auto Express」によるレクサス UX250hとBMW X2 xDrive20dの比較試乗レポートを日本語で紹介します。
レクサスは年々どんどん良くなってはいるのだが、コンパクトクロスオーバーSUVのUXには手強い競合車がおり、中でも近い存在がBMW X2だ。
いずれもクーペ風のボディで、機能性よりもスタイリングを重視していることが分かるのだが、かといってどちらも実用性が欠如しているわけではない。特にハイブリッドパワートレインを搭載することでランニングコストを抑えているUXは都市型クロスオーバーにぴったりだろう。
今回はハイブリッドのUXとディーゼルのX2を比較したのだが、車重はどちらもほとんど同じくらいで、エンジンスペックやカタログ燃費もほぼ横並びなので、接戦となることだろう。では果たして、どちらのほうが優秀なのだろうか。
レクサス UX250h
UXにはレクサス(ひいてはトヨタ)の持てる技術すべてが投入されている。プラットフォームは小型車用のTNGAが採用され、ダブルウイッシュボーン式リアサスペンションおよびマクファーソンストラット式フロントサスペンションが採用されている。
UX250hには最高出力152PSの2.0Lノンターボガソリンエンジンが搭載され、ニッケル水素バッテリーと2基のモーター/発電機が組み合わせられる。モーターの最高出力は108PSで、システム出力は184PSなので、1,540kgの車重にも十分だろう。
レクサスの第4世代ハイブリッドシステムには進化が感じられた。ソフトウェアはより賢くなったように感じられたし、CVTの性能も向上しており、エンジンとモーターの協調も改善されたため、直感的に運転することが可能となっているし、エンジン回転数がやたら上がることもなくなったため、静粛性も向上している。
0-100km/hは8秒を記録しており、このタイムはX2と比べると0.8秒遅いのだが、それでも十分なパフォーマンスと言えるだろう。
CVTにはギアが存在しないのだが、CVTの欠点として知られている回転数の急増は最小限に抑えられているため、落ち着いて運転することができる。それに、モーターによる補助によってエンジンにかかる負荷も少ない。
アクセルを踏み込むと回転数が増加し、エンジン音の粗さが少し気になるのだが、パフォーマンスに関しては不満はない。
乗り心地に関しては、X2よりも明らかに良い。シャシはソフトなセッティングとなっており、ダンピングがしなやかなのでBMWほどの不快さは感じない。
内装は作りが良く、レザーがふんだんに使われており、プラスチックの使い方も上手い。それだけに、インフォテインメントシステムの完成度の低さは残念だった。これはレクサスの伝統なのだが、競合車と比べると明らかに使いづらく、X2の優秀なシステムとは比べるべくもない。
試乗車はUX250 F Sportで、プレミアムプラスパッケージやテクノロジー&セーフティパッケージなどのオプションも付いていたのだが、それでも価格はX2 M Sportより1,260ポンドも安かった。
UXのF Sportにはシートヒーターや7インチナビゲーションシステム、バックカメラ、パーキングセンサー、オートハイビーム、LEDライトなどが装備される。
プレミアムプラスパッケージにはレザーインテリアやキーレス機能、大型ディスプレイが含まれ、テクノロジー&セーフティパッケージにはブラインドスポットモニターやクロストラフィックアラート、ワイヤレス充電機能、ヘッドアップディスプレイ、アダプティブサスペンションが含まれる。
BMW X2 xDrive20d
UX同様、X2もデザイン重視のSUVであり、より実用性を重視した兄弟分のX1とは差別化されている。X2にはX1と共通のUKL2プラットフォームが採用されており、BMWの伝統には反し、前輪駆動ベースとなっている。
ただし、今回試乗したxDrive20dは4WDだ。UX250hにも4WD仕様は用意されるのだが、X2には2WD仕様のsDrive20dは設定されない。このクラスのSUVではオフロード性能よりもデザインが重視されるため、この点はマイナスとなるだろう。
FFベースながら、X2の走りはBMW的で、ステアリングは重くて非常に正確だ。操作性も非常に高いのだが、M Sportには19インチホイールが装備されていたため、乗り心地は硬めだ。
凹凸に乗り上げると衝撃はそれなりに伝わってくるし、路面の状況によってはガタつくこともある。そういった路面でも落ち着きを失わないレクサスとは対照的だ。
耐えられないほど乗り心地が悪いわけではないのだが、レクサスと比べると快適性は低く、路面の衝撃を感じやすい。
敏捷性はレクサスより高いのだが、それでも地上高の高さゆえにロールはそれなりにある。2.0Lディーゼルエンジンは1,750rpmで40.8kgf·mを発揮するため、低回転域から非常に力強く、エンジンを回さずとも速く走ることができる。
8速ATは優秀で、街中ではCVTと同じくらいに扱いやすく、高速域ではCVT以上に応答性が高く、ちゃんとキックダウンしてくれる。加速に関しては、UXよりもX2のほうが自然だ。
0-100km/h加速は7.2秒でUXより0.8秒速く、50-110km/h加速は6.8秒でUXよりも0.7秒速い。トランスミッション形式が異なるので無変速での加速比較はできないのだが、中速域の加速性能はそれほど変わらなかった。
4気筒ディーゼルなので高回転まで回せばそこそこうるさいのだが、高速域でも回転数が低く抑えられているし、それでもパフォーマンスは十分に高い。低回転域からトルクを発生するので街中ではかなり力強く扱いやすい。ただし、UXもそうなのだが、見た目優先のデザインのために視界はあまり良くない。
インテリアは価格に見合う上質さで、M SportにはLEDライトやシートヒーター付きレザーシート、クルーズコントロール、DAB、ナビゲーションシステム、パーキングセンサー、デュアルゾーンオートエアコン、自動ブレーキが装備される。
結論
Winner: レクサス UX250h
レクサスは真摯にハイブリッドシステムの改良を続け、その努力はちゃんと実を結んでいる。静粛性、快適性、経済性すべて妥協せず、それでいて価格は競合車より安い。インフォテインメントシステムの使いづらさだけが残念だ。
2nd: BMX X2 xDrive20d
X2の走行性能は小型SUVのなかではトップクラスだ。パワートレインも優秀だし、実用性も十分に高く、インフォテインメントシステムも使いやすい。ただし、乗り心地やランニングコストの面でレクサスに見劣りする。価格が高く、装備もレクサス以下なので、今回はUXの勝利とした。
auto2014
が
しました