米国「CarProUSA」によるトヨタ・タコマの試乗レポートを日本語で紹介します。


Tacoma

トラックという言葉からは、「巨大」、「騒々しさ」、「男性的」、「堅牢」などの単語を連想する。トラックにも様々な種類があるのだが、ここテキサスでよく見かけるのは重い荷物を難なく牽引できるフルサイズのピックアップトラックだ。

しかし、ミドルクラスのトラックも忘れてはいけない。ボディサイズは小さいし、エンジン性能もフルサイズ車に比べれば低いのだが、パワーですべてを測れるわけではない。実際の性能差は思ったほど大きくないかもしれない。

トヨタ・タコマの加速性能はフルサイズピックアップのタンドラとほとんど変わらない。4.6L V8エンジンを搭載するタンドラは最大牽引重量が3,175kgなのだが、タコマの最大牽引重量は3,084kgだ。

タコマはエンジン性能も高いのだが、何より注目すべきは走破性だと思う。地上高はもう少し高さが欲しいと感じることもあるのだが、それでも平均的なピックアップトラックより地上高は高い。

内装に関しては典型的なトヨタだ。操作系は分かりやすく合理的に配置されている。居住空間は前後ともに十分確保されており、標準のファブリックシートは快適だ。6.1インチタッチスクリーンやUSBポート、Bluetooth連携機能、リアビューカメラなども装備される。

着座位置はやや高めで、舗装路を走行すると跳ね気味に感じることもある。しかし、走破性の高さを差し引いて考えるべきだろう。車内の静粛性は高く、視界も良好だ。着座位置が高いのでボンネットの端までしっかり見渡すことができる。

interior

タコマには最高出力161PSの2.7L 4気筒エンジンが搭載され、6速ATが組み合わせられる。4気筒モデルのEPA燃費はシティ8.1km/L、ハイウェイ9.8km/Lだ。オプションで282PSの3.5L V6エンジンを選択することもできる。

グレードは6種類用意され、用途に応じてさまざまなオプションを選ぶこともできる。街乗りで使うなら37,000ドルの「Limited」が適しているだろう。仕事に使うならエントリーグレードの「SR」が良いし、コストパフォーマンスの高い装備充実の「SR5」も魅力的だ。

TRDシリーズも用意される。約43,000ドルの「TRD Pro」にはブラックのボンネットスクーとブラックのオーバーフェンダー、LEDフォグランプ、専用バッジが装備される。未舗装路の運転も楽しみたい人のためのモデルだ。

タコマには全車にトヨタセーフティセンスPが装備される。これには前方衝突警報や歩行者検知機能、アダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警報などが含まれる。

このクラスのピックアップトラックはフルサイズまではいらない人にぴったりの選択肢だ。タコマはトラックとして十分な性能を持ちつつも、駐車スペースを無駄に取ることはない。フルサイズでないことを恥じる必要などないだろう。