英国「Auto Express」によるプジョー 308 SW BlueHDiの試乗レポートを日本語で紹介します。


308SW

環境性能を重視したシリーズとして、フォードのECOneticやフォルクスワーゲンのBlueMotionが有名だが、プジョー 308 SWにもBlueHDiというモデルが設定されている。

BlueHDiには1.6Lディーゼルエンジンが搭載されており、カタログ燃費31.3km/L、CO2排出量88g/kmを実現している。これよりパワーのないフォード・フォーカス エステート ECOneticがカタログ燃費27.0km/L、CO2排出量99g/kmであることを考慮すると、プジョーがいかに凄いかが分かるだろう。特にカンパニーカーにとっては、税制上CO2排出量が非常に重要になってくる。

BlueHDiエンジンが設定されるのは中間グレードの「Active」と「Allure」のみだ。今回試乗したのは「Allure」だったのだが、装備内容はスパルタンなフォルクスワーゲンのゴルフ BlueMotionよりはよっぽど充実していた。

価格は21,645ポンドながら、LEDヘッドランプやフォグランプ、9.7インチナビゲーションシステム、リバースカメラ、パーキングセンサー、電動ドアミラー、オートエアコンは標準装備される。

rear

ちなみに、ゴルフエステートのBlueMotionは24,000ポンド以上するし、フォード・フォーカスエステートのECOneticでも22,345ポンドだ。さすがに安すぎて心配になるのだが、実際、予想通り欠点もある。

ただしその欠点はエコエンジンとは関係ない。そもそも308 SWという車自体が退屈だ。ステアリングはクイックではあるのだがやたら軽いし、ドライビングポジションも変だ。運転する楽しさならフォーカスのほうが上だ。

皮肉なことに308のCMでは「運転する感覚」を謳っているのだが、実際の308は運転感覚が優れているわけではない。とはいえ、それ以外の部分は優れており、ターボディーゼルエンジンは完成度が高く、車内に伝わってくる振動もBlueMotionより明らかに少ない。

ロードノイズも抑えられている。内装の質感は非常に高く、さすがに高価なアウディ A3には及ばないものの、競合車の中では突出している。質感、経済性、快適性の総合力で見れば、プジョーの中でも指折りのオールラウンダーだ。

interior

内装の質感は高いのだが、9.7インチのナビは直感的に操作できないし、反応も鈍めだ。インテリアには上質な素材も使われているのだが、ナビ周りやCDプレーヤー周りは安っぽい。装備は非常に充実しており、「Active」ではデュアルゾーンオートエアコンや電動パーキングブレーキも標準装備となる。

ただし、オプションのドライバーアシスタンスパッケージを選択しないと、アダプティブクルーズコントロールやエマージェンシーブレーキは装備されない。このせいで保険料レートが下がってしまうし、このオプションは「Allure」以上のグレードでしか選択できない。