オーストラリア「CarsGuide」によるフォルクスワーゲン・パサート 206TSI R-Lineの試乗レポートを日本語で紹介します。


Passat

パサートの見た目は非常にエレガントだ。全長は長いのだが、非常に流麗で上品だし、クリーンなラインを損なうような余計な膨らみもない。SUVに慣れた人からすると低く感じるかもしれないが、いずれにしても正真正銘、スタイリッシュなデザインだ。

内装デザインも良い。最上級グレードのR-Lineには上質なレザーがふんだんに使われており、本革巻きのステアリングの握り心地も良好だ。シートは電動で座り心地も良い。

エアコンの吹出口は横長でダッシュボードを横断しており、ただ見た目が良いだけでなく空気を送り出す機能も優れている。ダッシュパネルにはマットなメタルが使われており高級感があるし、液晶メーターはモダンで読みやすい。

走り出してみると、乗り心地は良いし、剛性感も高い。ステアリングが優秀で操作性も良いので、自信を持って運転することができる。個人的にはSUVの高い視界が好きなのだが、この車でも物足りなさは感じなかった。

R-Lineには2.0Lのガソリンターボエンジンが搭載される。急坂もスピードを出して登ることができるし、高速道路での追い越しも容易だ。

パサートは車高が低いのでSUVより俊敏な走りが楽しめる。長さはあるのだが、運転していて大きさを感じることはなく、十分なスペースがある駐車場であれば扱いづらさも感じなかった。

interior

360度カメラは装備されていないのだが、バックカメラは高精細で見やすく、ガイドラインも付いているのでどこに進んでいるのかが分かりやすい。

室内空間は十分に広い。前席は広大で背が高い人でも不満は感じないだろう。後席も広く、2人の子供が問題なく座れた。後席は161cmの私が座っても膝と前席の背もたれの間に十分に余裕があった。背が高い大人が座っても不足はないだろう。

窮屈にはなってしまうが、リアシートにチャイルドシートを3つ搭載することもできる。リアに逆向きのベビーシートを載せることもできるし、搭載時に前席をそれほど前に出す必要もない。

荷室も広い。荷室容量は650LとほとんどのSUVよりも広いので、荷物が多くても載りきらないことはほとんどないだろう。二人乗りのベビーカーや子供用の自転車なども載せられる。

パサートワゴンには便利な装備もたくさん用意されている。フロントにはカップホルダーが2つあり、携帯電話を置くスペースやセンターコンソール内の収納スペースも用意されている。リアにもセンターアームレスト内にカップホルダーが2つあり、後席用のエアコン吹出口と後席用エアコン操作スイッチも装備されている。

パワーテールゲートも装備されており、キーのボタンを押してテールゲートの開閉をすることもできる。地上高が低いので子供でも乗り降りしやすく、後席のシートベルトバックルがシートの間に埋もれることもないので、子供でもシートベルトを簡単に締めることができる。

rear

最上級グレードなので安全装備も満載されている。リアクロストラフィックアラートや車線逸脱警報、ブラインドスポットモニタリング、緊急自動ブレーキなど、先進装備はしっかり網羅されている。

エアバッグも充実している。前席用の通常のエアバッグのほか、後席までカバーするサイドカーテンエアバックも装備される。また、ISOFIXアンカーも2点用意され、ANCAPで最高評価の五つ星を獲得している。

Apple CarPlayとAndroid Autoはいずれも装備され、スマートフォンと繋げればすぐに利用できる。メインスクリーンは9.2インチの大画面で、マップアプリでナビを利用したり、Spotifyで音楽を聴いたりすることができる。

パサートはスピーカーも優秀で、サラウンドで聴いているような気分になれるので、音量を上げて音楽を楽しむのもいいだろう。

今回試乗したパサートワゴン 206TSI R-Lineの価格は62,290豪ドルで、5年/距離無制限の保証も付帯する。燃費は13.5km/Lで、このサイズ、このパフォーマンスにしてはかなり経済的だ。