英国「Auto Express」によるホンダ S2000 GTの試乗レポートを日本語で紹介します。

※内容は2008年当時のものです。


S2000

新型S2000の改良点は目には見えない。しかし、中身は大きく変わっている。フィードバックに乏しいステアリングや過激なハンドリングを改善するために最大限の力が注がれたため、見た目の変化は最低限に抑えられている。

今回の変更で外観から分かる変化は新デザインの5スポークアルミホイールくらいしかない。内装では横転時の乗員保護性能を向上するためにヘッドレストの形状が変更されたほか、内装色の選択肢が3種類増えたのだが、変わったのはこれくらいだ。

S2000はスタイリッシュかつ個性的な車なので、デザインがそのままでも不満はない。ただ、インテリアはさすがに古さを感じるようになってきた。デジタル表示のメーターや独特のスイッチ類は少なくとも個性的ではあるのだが、洗練されてはいない。それでも、2.0LのVTECエンジンは従来通り見事に回ってくれる。

rear

S2000の暴れ馬ぶりを抑えるため、ホンダはVSAを標準装備とし、サスペンションも改良された。イギリス仕様車の新しいサスペンションセッティングは日本専売モデル「タイプS」と共通で、専用チューンのダンパーが装備され、スプリングレートも上がっている。

ホンダはこれまで、2002年の改良時と2004年の改良時に計2回のサスペンション改良を行っている。そして今回の変更でようやく、その努力が見事に実を結んだようだ。

ステアリングは重さを増し、自信を持って操作できるようになった。リアの安定性も向上し、我を忘れてもスタビリティコントロールが助けてくれる。おかげで、車に噛みつかれてしまう心配をすることなくVTECの咆哮を楽しめるようになった。

interior

幸いにも、超正確な6速MTの操作感は変わっていない。稀代の名MTだと思う。シフトレバーは短くて配置も完璧だし、ギア比も一番楽しく走れるような設定になっている。

しかし、S2000の成熟は遅すぎたようにも感じる。もはや登場から9年近くが経過してしまった。今回の改良は成功と言えるのだろうが、設計の古さを考えると価格は高く感じる。けれど、S2000の雑味のない純粋な走りは味わうほどに魅了されてしまう。


Honda S2000 GT