米国「MOTOR TREND」によるリンカーン・マークVIIIの試乗レポートを日本語で紹介します。
※内容は1996年当時のものです。
リンカーン マークVIIIには洗練性が足りていなかった。そんな状況を受け、1996年に行われたマイナーチェンジではマークVIIIの徹底的な磨き上げが行われた。
1993年に登場したマークVIIIは欧州や日本の高級クーペと比べると一段落ちる存在としてみなされてきた。そんな評価を受け、フォードはデザイン面と技術面の両方でマークVIIIと競合車の違いを徹底的に分析し、その差を埋める努力を行った。実際、新型マークVIIIに乗ってみると、その努力を実感することができた。
1997年モデルには新たに、ディスチャージヘッドランプ、大型メッキグリル(スポーティグレードのLSCはボディ同色となる)、アルミ製ボンネットフード(プラスチック製からの変更)、ネオンテールランプ、足元灯付きドアミラーなどが装備され、フェンダーやリアクォーターパネルのデザインも変更されている。
その他、外見から分からない部分ではインテリアも刷新されており、エンジン音改善のためにインテークマニフォールドのチューニングも変更されている。ハンドリング性能および乗り心地の改善のため、ステアリングシステムやサスペンションにも手が加えられている。
まずはミシガン州ディアボーンにあるフォードのテストコースで試乗を行った。走りはじめてすぐ、新設計ステアリングのフィールが明らかに改善していることに気付いた。以前はアシストが過剰で中立域付近のフィールはほぼ存在しなかった。新型では応答性が改善して滑らかかつ機敏になり、路面の状況が指先へとしっかり伝わってくる。特に滑りやすい路面を飛ばしている時にはこの恩恵を強く感じた。
続いてデトロイトの舗装の悪い道路でも試乗を行った。そこで気付いたのだが、乗り心地は大幅に改善しており、またダッシュボードの作りもまともになったことを理解した。剛性の低かった従来のマークVIIIで段差を踏むとボディにかなりの負荷がかかり、ステアリングコラムの振動も酷かったのだが、新型ではそのような問題は生じない。
開発陣によると、乗り心地の大幅な改善はショックアブソーバー用のブッシュやショックタワーにちょっとした変更を加えた結果だそうだ。
マークVIIIはマイナーチェンジによって劇的に進化している。それに、エクステリアデザインやライト類が変更されたおかげで、暗闇であっても他のクーペと見間違えることはないだろう。
青白いHIDヘッドランプ真っ赤なネオンテールランプは夜中にはかなり目立つ。新型マークVIIIはむしろ日が沈んでから目を引く車なのかもしれない。
auto2014
が
しました