英国「Auto Express」によるメルセデス・ベンツ SL500の試乗レポートを日本語で紹介します。
SLクラスはオールアルミボディを採用することで軽量化を軽量化と高剛性化を実現している。さらにマイナーチェンジでは新設計の9速AT「9G-TRONIC」を採用し、ダイナミックセレクトやアクティブボディコントロールもアップグレードされた。
今回は最高出力455PSを発揮する4.7LツインターボV8エンジンを搭載するSL500にイギリス国内で試乗した。
SLはドライバーの前方に巨大なボンネットが広がっており、ボディサイズは大きい。マイナーチェンジではフロントデザインが変更されており、メッキで飾られたフロントグリルの中心にスリーポインテッドスターが鎮座している。
メタル製のルーフは大きなリアデッキ内に電動格納される。見た目はルーフを下ろしたときのほうが良い。トランク容量は504Lで、ルーフを格納した状態でも364Lもの容量が確保されている。不足を感じることはあまりないだろう。
ルーフの開閉には20秒かかり、40km/h以下であれば走行中でも開閉可能となっている。ルーフが開いていようが閉じていようが車内は非常に快適で、長距離移動も苦にはならない。
ドライビングポジションの調節幅も十分にあるし、シート形状はサポート性よりも快適性を重視して設計されているようだ。試乗車はAMG Lineというモデルで、1,725ポンドのアクティブマルチコントロールシートが装備されていた。このシートはコーナリング中に変形してサポート性を高めることができ、マッサージ機能を使うことも可能となっている。
SLクラスは装備が満載された高級車であるのと同時に、アクセルを踏み込めば100km/hまでわずか4.3秒で加速し、そのまま250km/hまで加速することもできる車だ。
71.4kgf·mというトルクがわずか1,800rpmから発揮されるので非常に扱いやすい。アクセルをわずかに踏むだけで9速ATが滑らかにシフトダウンを行い、追い越しはあっという間に終わってしまう。
SL500の走りはダイナミックセレクトのモードによって大きく変わる。走行モードはコンフォート、スポーツ、スポーツ+、インディビジュアル、エコの5種類が設定される。
コンフォートモードにするとV8のオープンカーとは思えないほどに快適になる。ルーフを下げた状態でもエンジン音やタイヤノイズはかなり抑えられている。525ポンドのオプションのウインドディフレクターを装備すれば、高速走行中でも問題なくオーディオを聴いたり会話をしたりすることができる。
スポーツモードにすると反応性が大きく変わる。V8エンジンの存在感も強まり、回転数が上がるほどにエンジンは咆哮し、ステアリングも重さを増す。乗り心地は硬くなり、スロットルやトランスミッションの応答性も機敏になる。
スポーツ+モードだとさらに鋭さを増す。スタビリティコントロールの介入は抑えられ、コーナー出口からの加速も向上する。
アクティブダンパーにより安定性はさらに高まり、ターンインもシャープになっているのだが、さすがにポルシェ 911カブリオレに並ぶほどではない。本物の剛性、本物のグリップを活かして走っているというよりは、電子制御の助けを借りて運転しているという感覚が常に付きまとう。
AMGサスペンションの装備された試乗車は標準車よりも地上高が10mm低く、19インチホイールも履いていたため、スポーツ+モードだと乗り心地も跳ね気味だった。やはりSLの性格に最も合っているのはコンフォートモードで、ワインディングなどでもスポーツモードで十分だろう。
auto2014
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