英国「Auto Express」によるアルファ ロメオ・スパイダーの試乗レポートを日本語で紹介します。
※内容は2006年当時のものです。
気温が高くなってくると、オープンカーに乗りたくなってくる。そんな季節にぴったりなのが、ブレラをベースとしたオープンカー、アルファ ロメオ・スパイダーだ。
以前にベースグレードの2.2 JTSを運転したことはあるのだが、今回は上級グレードの3.2Lモデルに試乗した。
スパイダーの見た目は洗練されており、特にルーフを下ろした状態の見た目が良い。ただし、ルーフを下ろすのは簡単なことではない。ルーフは全自動で開閉可能なのだが、開閉には27秒もかかる。
V6エンジンを始動させると、見事な排気音が響き渡る。最上級グレードの面目躍如だ。このモデルは2.2 JTSよりも明らかに速く、0-100km/h加速はわずか7秒でこなす。ただし、このパフォーマンスを引き出すためにはかなりエンジンを酷使しなければならない。
車重はブレラよりも60kg重いのだが、それでもスパイダーの強度には不足を感じる。ちょっとした路面の衝撃であっても車ははっきりと揺すられ、舗装が悪い道では振動をかなり感じる。
四輪駆動システム「Q4」は最高出力264PSのV6エンジンの性能を見事に路面に伝えてくれる。コーナー出口でのトラクション性能は驚異的だ。ただし、2.2Lモデルよりもノーズが重いだけに、アンダーステアの傾向は強い。
インテリアは159やブレラとほとんど共通なのだが、ちょっとした差別化は図られているし、質感も非常に高い。
3.2Lのスパイダーには、ポルシェを追いかけることではなく、穏やかにクルージングを楽しむことのほうが適している。ただし、穏やかに運転しても乗り心地の悪さは隠しきれていない。
試乗車には17インチホイールが装着されていたのだが、もしオプションの18インチを選んだら乗り心地はなおのこと悪くなるだろう。しかしながら、18インチ装着車の見た目はかなり良く、装備したいという誘惑には抗いがたい。
スパイダーのパフォーマンスは平凡で、本物のスポーツカーを求めている人からすれば完成度は低いのかもしれない。しかし、なにより美しい見た目とトルキーなV6エンジンのおかげで、クルーザーとしては十分に魅力的だ。ただし、乗り心地の悪さやスカットルシェイク、それに価格の高さは欠点だ。
この造形センスが妬ましい。
auto2014
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