オーストラリア「CarsGuide」によるメルセデス・ベンツ C200コンプレッサーの試乗レポートを日本語で紹介します。

※内容は2007年当時のものです。


C-Class

Cクラスの走行性能はベンチマークのBMW 3シリーズに引けを取らないレベルにあり、ベンツのブランド力を借りずとも競争力の高い存在となっている。アルファ 159からアウディ A4、サーブ 9-3、ボルボ S40に至るまで、どんな競合車を相手にしても負けることはないだろう。

基礎からしっかり作られているため、最も安価な56,990豪ドルのC200コンプレッサーも十分に優秀だ。

フルモデルチェンジにより内外装が刷新されただけでなく、サスペンションをはじめ、すべてが新設計となっている。

スタイリングはシャープで現代的になり、まるで小さなSクラスのようだ。ただ、フェンダーの形状やダッシュボードのデザインはより若者向けになっている。時代遅れなEクラスやSクラスのシートとは違い、シート形状はより立体的でサポート性も優れている。

インテリアデザインは大幅に変更されている。ステアリング形状も変わっているし、BMW iDrive風のダイヤルも装備された。ただし、メルセデスらしいソリッドさはしっかり保たれている。

オーストラリア市場には当初、セダンのみが投入され、より実用的なステーションワゴンは2008年に追加される。

豪州仕様車には、1.8Lスーパーチャージャー付きエンジンを搭載するC200コンプレッサー、C220ディーゼル、3.0Lエンジンを搭載するC280が設定される。今後、C63をはじめ他のバリエーションも登場予定となっている。

interior

新型Cクラスはメルセデスにとって非常に重要な存在だ。新型モデルには従来のCクラスになかった若々しさがあり、1.8L車でさえ走りは驚くほどにスポーティーだ。運転していると軽く俊敏に感じられ、エンジンの応答性も良好だ。しかしメルセデスらしい落ち着きもしっかり残されており、走りもソリッドなのだが、野暮ったさはなくなっている。

試乗車のC200コンプレッサーは低回転域からしっかりトルクが発揮され、燃費性能も優秀だった。高速道路での燃費は14km/Lを超え、平均燃費は10.6km/Lだった。このクラスの車としては上出来だ。

C200コンプレッサーのエンジンは最高とまでは言えないし、BMWの6気筒ほどの魅力があるわけでもないのだが、少なくとも不足は感じない。ATも滑らかで効率的なのだが、パドルシフトがあればなお良かっただろう。

サスペンションは路面の悪い場所だとガタつくこともあるのだが、基本的には非常に穏やかだ。ステアリング操作は軽く、ワインディングでも楽しむことができる。操作性は3シリーズほどシャープではないのだが、コーナリングのバランスは良いし、応答性も高い。

ただし、ブレーキのアシストはやや過剰で、丁寧な制動を心がけていても上手に止まれないことが何度かあった。この点は改善が必要だろう。

オーディオの操作系は複雑で扱いづらく、また内装は場所によっては硬いプラスチックも使われており、チープに感じられる部分もあった。これはベンツには相応しくないだろう。ただ、全般的に欠点はかなり少ない。

試乗車にはいくつかオプションが装備されており、総額は62,690豪ドルだった。いずれにしても、基礎からしっかり作り込まれており、非常に優秀な車だ。