英国「The Guardian」によるBMW 520dの試乗レポートを日本語で紹介します。


520d

最先端の人工知能には苛立ちを覚えることもある。特に顕著なのが車だ。活用するためには慣れが必要になってくる。新型5シリーズには最先端技術が満載されており、常に道路の状況を予測し、反応し、対応していく。にもかかわらず、ドライバーはまだドライバーのままだ。

5シリーズには「インテリジェントパーキング」という装備が付いている。これは革新的なi8に装備された自動駐車機能の進化版だ。目的地に到着して車から降り、周りの人間にドヤ顔を見せつつ鍵を操作すると、車が自分で駐車してくれる。運転手はただ車を眺めているだけでいい。

驚くべき技術だし、非常に未来的だ。けれど、現実世界では何の役にも立たない。ゆっくりと駐車スペースに入っていく車を眺めているとき、私はずっと気が気ではなかった。何度か自動駐車を試してみたのだが、スクリーンに「自分で駐車操作を行ってください」と表示されることもあった。そうした方がよっぽど賢明だろう。

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5シリーズには最新の”自動運転”技術も備わっている。最高210km/hまでであれば自動で加速、減速、操舵をすべて行ってくれる。そしてもちろん、そんなことは人間にだってできる。妻を乗せたときに自動運転を試してみようとしたのだが、断られてしまった。危険な状況になったらまた「自分で運転操作を行ってください」と表示されるんじゃないかと言われてしまった。

こういった無用な先進技術(自動駐車機能を日常的に使っている人など見たことがない)を無視すれば、5シリーズは非常に優秀な車だ。乗り心地はこの上なく素晴らしい。40年以上の歴史を積み重ねた結果、5シリーズはすっかり熟成されており、完成度はかなり高い。

従来型と比べると、エクステリアデザインはやや柔和な印象になっている。コーナーは滑らかになり、攻撃性は薄まっている。見た目はフォーマルさを失い、よりカジュアルな印象となっている。インテリアは上質で居心地も良く、操作系も直感的に扱える。

interior

ハンドリングも非常に直感的で楽しい。ちょっと買い物に出掛けようと車に乗っても、ついつい余計な遠出をしたくなってしまう。従来よりも速く、軽く、そして経済的になった新型5シリーズは、現在販売されている車の中でも最強のオールラウンダーだろう。自分で運転すればの話だが。