英国「Auto Express」によるアルファ ロメオ・ジュリア スーパーの試乗レポートを日本語で紹介します。
ジュリアが最も美しく見えるのは斜め後ろから見たときだと思う。美しいお尻は官能的な曲線を描き、ホイールアーチに綺麗に収まっているホイールも魅力的だ。誤解しないで欲しいのだが、別に私は美術評論家の真似事をしているわけでも、カタログの文章をそのまま写しているわけでもない。ただ素直に、ジュリアの美しさを伝えたいだけだ。
しかし、その美しさは損なわれてしまった。先月、通勤のためにロンドンを運転していると、アルファの美しさに見蕩れたのか、バスの運転手にオカマを掘られてしまった。しかも、その運転手は何を思ったか止まらずにどこかへ逃げてしまった。
バスがぶつかったせいでトランクリッドの上部が凹んでしまった。バンパー部分はほぼ無傷だったのだが、傷は直さなければならない。その一週間後、修理が終わり、ジュリアは再び完璧な美しさを取り戻した。
テスト用のジュリア スーパーには200PSの2.0Lガソリンエンジンが搭載されている。この車は経済的ながら速く、そして何より楽しい。唯一の問題点はインテリアの質感だ。特に操作用のダイヤルは安っぽい。
しかしながら、ジュリアはあまりにも楽しく、すぐに走行距離が伸びてしまった。走行距離が約27,000kmになると、メーター内のディスプレイに点検時期を知らせるメッセージが表示された。
イタリア人はお気楽な性格だ。イギリス人の昼食といえばオフィスのデスクでサンドウィッチを食べるのが一般的だが、イタリア人はがっつり昼食をとる。平日にもかかわらずコース料理にワインまで頼むことさえある。
そんな性格は食事以外にも表れる。アルファ ロメオの納車までにかかる時間もかなり長くなるだろう。
私は2016年に長期テスト車としてジャガー XEに半年乗っていた。ドイツ車以外の高級車でとても楽しい車だった。BMW 3シリーズやアウディ A4と比べると先進技術や質感の面では見劣りしたのだが、デザインや運転する楽しさではこの2台より優れていた。
私が初めてジュリアに乗ったのは2017年のことで、XE以外にもドイツ車に勝てる個性的な高級セダンがちゃんと存在することに気付けた。そして私はジュリアの真の実力が知りたくなり、新しい長期テスト車としてジュリアを購入することにした。
普段なら中間グレードのディーゼル車を頼むところなのだが、今回はヴェローチェを頼むことにした。ヴェローチェとはジュリアのラインアップの中でGTIに相当するグレードだ。ヴェローチェには280PSのガソリンエンジンが搭載されており、510PSの2.9L V6エンジンを搭載するクアドリフォリオと200PSのスーパーの中間的存在だ。
せっかくスポーティーな車なので、ボディカラーには695ポンドのヴェローチェ専用色、ミサノブルーを選んだ。内装にはタンレザーのスポーツシートを選択し、実際に注文を行った。
それが2017年の秋の話で、2018年3月になってもまだ車は届かなかった。鬼のようにメールを送り、電話まで掛けたのだが、結局私にできるのはひたすら待つことだけだと悟った。
幸い、アルファ ロメオの英国法人が善意でジュリア スーパーを貸してくれた。スーパーはジュリアのエントリーグレードだ。テスト車は外装が紺色、内装はタンレザーで、オプションが満載されており、素の価格は31,575ポンドなのだが、総額は41,000ポンドを超えていた。
見た目は最高だった。ミサノブルーより濃いモンテカルロブルーのボディカラーやブラウンの内装はまさにイタリア車らしい雰囲気で、典型的なグレーのドイツ車とは一線を画していた。家に来た郵便配達員も、ガソリンスタンドにいたアウディのオーナーも、私の車に見蕩れていた。
このテスト車は広報車なので新車ではなく、2017年3月登録で、私のところに来たときの走行距離は19,100kmだった。ヴェローチェが納車される頃には走行距離もかなり伸びているだろう。
信頼性に関しては疑問が残る。これまで、ディーゼル、ヴェローチェ、クアドリフォリオと、3種類のジュリアを試乗してきたのだが、どの車でもエンジン警告灯が点灯してリンプホームモードになってしまった。
ただ、スーパーに関しては少なくとも今のところはその問題は生じていない。2.0Lの4気筒ターボエンジンは楽しく、音にも元気がある。8速AT(イギリス仕様にはMTは設定されない)も非常に滑らかだ。
気になったのは、解錠時、施錠時に鳴るブザーだけだ。それさえ無視すれば、スーパーは文句なく楽しい車だ。
いくつかの問題(バスに追突されたり)はあったものの、ジュリアを運転するのは非常に楽しい。スーパーのエンジンも十分に力強いし、ハンドリングも素晴らしい。
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auto2014
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