英国「Auto Express」によるレクサス LS430の試乗レポートを日本語で紹介します。

※内容は2003年当時のものです。


LS430

お金持ちが皆目立ちたがり屋というわけではない。レクサスの成功もそれを証明している。レクサスは装備の充実した高級車で、外見よりも中身を重視する消費者に受けている。

レクサスのフラッグシップモデルであるLSは1989年に登場した。近年ではBMWやジャガー、アウディから新技術を搭載した新型車が続々と登場し、LSの販売台数は下降傾向にある。それに対抗するため、LSもマイナーチェンジを行った。

見た目はマイナーチェンジ前とほとんど変わっていない。しかしじっくり眺めてみるとフロントグリルやライト類のデザインが変化していることに気付くし、新たに18インチアルミホイールが標準装備となっている。この変更により、従来よりもなお一層メルセデス・ベンツ Sクラスにそっくりになった。

ドイツ製の競合車とは違い、イギリスでは1種類のグレードしか展開されないため、不足している装備は存在しない。新装備として、AFS(ステアリング舵角に応じてヘッドランプの向きを変えるシステム)やリアビューカメラ、ニーエアバッグ、Bluetooth対応ナビゲーションシステムが追加された。

rear

どの技術もちゃんと実用的だし、これだけの装備が付いて価格は56,850ポンドだ。同等の装備をメルセデス・ベンツ S430に装備するとなると本体価格58,820ポンドに加えて1万ポンド以上の追加費用を払わなければならない。

室内に乗り込むと、内装にかなりのコストがかけられていることがすぐに分かる。リアシートには専用のエアコン吹出口やリクライニング機構、マッサージ機能まで付いている。アームレストにはスイッチがあり、これを使うとマークレビンソンのオーディオシステムを操作できる。

ただ、細かい部分にまで目を向けると欠点も見えてくる。一部のスイッチ類は他のトヨタ車と共通で、レクサスのイメージからは乖離したチープなプラスチックが使われている。

実際に運転してみると、人気の理由である乗り心地の良さはまったく変わっておらず、アクセルを踏み込まない限り車内はかなり静かだ。新設計の6速ATはマニュアルモードも付いており、基本的には変速も滑らかで扱いやすいのだが、スポーツモードにするとたまにギクシャクすることもある。

interior

ステアリングはマイナーチェンジ前と比べるとシャープになっている印象はあるのだが、これはステアリング設計自体の変更というより、新設計のホイールとタイヤの組み合わせによるものだろう。

新型LS430は相当に居心地が良く、落ち着ける車に仕上がっている。しかし、完成度は決して低くないのだが、やはり古さは感じるし、なにより競合車にある威厳がレクサスには欠けている。