英国「Auto Express」によるルノー・メガーヌ ルノー・スポールの試乗レポートを日本語で紹介します。


Megane RS

新型ルノー・スポール メガーヌがイギリスに上陸した。先代モデルは競合車と比べても相当ハンドリング性能が優れており、新型RSも世界のホットハッチファンにとってかなり重要な車となる。

しかし、先代モデルの製造が終了してから、市場には数多くの優秀なホットハッチが進出している。ヒュンダイは i30 N を発売して我々を驚かせたし、4WDのフォーカスRSは圧倒的なグリップと強力なパワートレインで我々を圧倒した。中でもホンダ・シビックタイプRは現状ホットハッチのチャンピオンと言える存在なのだが、今回、新型RSに試乗し、ホンダもうかうかしていられないと感じた。

メガーヌRSにはMTとDCTの両方が設定されるのだが、今回はMT車に試乗した。ルノー・スポール クリオには当初DCT車しか設定されず、結果かなりの批判を浴びたのだが、賢明にもメガーヌには最初からMTが設定されている。試乗車には1,500ポンドのカップパッケージが装備されていた。これはLSDや専用チューニングのシャシが含まれる。他にも、950ポンドの19インチアルミホイールや1,300ポンドの特別色「ボルカニックオレンジ」が追加されていた。

見た目は例外として、メガーヌRSの第一印象はあまり良くなかった。全体的にやや重く感じられ、クラッチが重いのにシフトレバーは軽めになっている。けれど、スピードを出すほどにメガーヌは輝きはじめる。

rear

ステアリングは高速域で輝く。RS全車に標準装備の四輪操舵システムの影響もあるのだろう。60km/h(レースモードでは100km/h)未満では後輪が前輪と逆方向に回転するので、ノーズは予想以上に曲がっていく。それ以上の速度では前輪と後輪が同じ方向に回転し、高速コーナーでのスタビリティを向上する。

この四輪操舵は当初は違和感を生むのだが、それだけメガーヌは俊敏だ。それに、コーナー出口で加速するときにはLSDがラインをしっかり描いてくれる。おかげでどれだけ急なコーナーでも楽しむことができる。ただ、このシステムはときに不必要な介入をしてくることもある。

ハンドリングだけでなく、乗り味についても慣れが必要だ。当初はかなり乗り心地が悪く感じたのだが、速度を上げるほどに快適性が高くなる。大径ホイールは道の凹凸に足を取られてかなり跳ねてしまう。轍にも取られやすいのでコーナーでは何度も修正舵が必要になることもある。

しかし、高速域ではかなり穏やかだ。低速域であれほど存在感の強かった凹凸はどこかに溶けて消えてしまう。油圧式ダンパーが衝撃をいなしてくれるおかげだ。しかし、市販車のメガーヌRSがイギリスの制限速度上限くらいでしか実力が発揮できないのは残念だ。一方でシビックタイプRはどんな速度でも楽しめる。

interior

新設計の1.8Lエンジンは旧型の2.0Lユニットよりは小排気量なのだが、スペックは向上しており、280PS/39.8kgf·mを発揮する。旧型のターボエンジンは音も控えめだったのだが、新型は活気に溢れており、どんどん踏み込みたくなる。最新のホットハッチらしく、エンジン音は人工的に増幅されている。最高出力は6,000rpmで発揮されるのだが、あまり高回転まで回して楽しめるような性格ではない。

それでも、6速MTのおかげで運転に没頭できる。MTとして格別に優秀なわけではなく、変速時にギクシャクすることもあるのだが、それでも勝手に変速されるDCTよりは良い。競合車と比べると見劣りするMTかもしれないが、ペダル配置は適切だし、ブレーキフィールも良いので、コーナーでの操作は非常にやりやすい。

メガーヌRSはホットハッチの「ホット」の要素をしっかり持っているのだが、肝心の「ハッチ」として問題があったら本末転倒だ。その点、メガーヌRSはスポーツシートのせいでリアのレッグルームが犠牲にはなっているのだが、それ以外は基本的に標準のメガーヌ同様、十分に広い。荷室容量は384Lと平均的なのだが、これについてもシビックには負けている。

経済性は十分に高く、燃費は13.9km/Lとこのクラスの車としては平均的で、二酸化炭素排出量もそれほど多くはない。経済性でもうひとつ重要となってくるのは価格だ。シビックタイプRと同じくらいの装備で比べた場合、価格差はほとんどない。