米国「The Truth About Cars」によるキア・ソウル(2020年モデル)の試乗レポートを日本語で紹介します。


Soul GT-Line

キア・ソウルという車は一見すると実用主義的な通勤用の車のように思える。走る楽しさや高級感など期待しないはずだ。実際、ソウルは概ね予想通りの車ではあるのだが、予想を超えている部分も存在する。

新型ソウルは内外装が刷新され、ターボエンジンも設定されている。グレードは7種類 (LX, X-Line, S, EX, EX Designer Collection, GT-Line 2.0, GT-Line 1.6T) 設定され、今回は2.0Lの「X-Line」と1.6Lの「GT-Line」に試乗した。

まずはフォルテと共通の2.0Lの4気筒直噴エンジンを搭載する「X-Line」に試乗した。このエンジンは「ニューエンジン」と呼ばれており、スペックは149PS/18.2kgf·mと至って平凡だ。実際、パフォーマンスに余裕があるわけでないのだが、通勤に使うのであれば十分な性能だ。

2.0L車にはIVT (Intelligent Variable Transmission) と呼ばれるCVTが組み合わせられており、6段の仮想ギアによってATのようなステップ変速も可能なのだが、シフトダウンのタイミングは遅い。ただし、スポーツモードだと低いギアにホールドしてくれる。

ステアリングの重さはスポーツモード、ノーマルモードともにちょうど良いのだが、フィールはやや人工的な感じがある。スポーツハッチバックの域までは至っていないのだが、それでも十分に運転する楽しさもある。

「GT-Line」のステアフィールもほとんど変わらないのだが、コーナーではこちらのほうが落ち着いていた。とはいえ、「X-Line」も「GT-Line」もロールはあるし、飛ばせばアンダーステアも発生する。

rear

1.6Lの4気筒ターボエンジンは204PS/27.0kgf·mを発揮する。当然、パフォーマンスは2.0L車よりも上だし、1.6Lターボのほうが2.0Lよりも滑らかだ。実用車としてなら2.0L車も十分良い車なのだが、完成度はターボのほうが高い。

1.6Lターボには7速DCTのみが設定される。DCTもスポーツモードではCVT車同様にギアをホールドする傾向にある。6速MTは2.0Lのベースグレードにしか設定されないのだが、1.6Lターボエンジンと6速MTの組み合わせも欲しいところだ。

カリフォルニアの道路での乗り心地は基本的に良好で、舗装が悪い道でも大きな問題はなかった。ただし、タイヤノイズや風切り音はいずれのグレードでも耳障りで、2.0LのCVT車ではエンジン音のやかましさも気になった。

前席のレッグルームやヘッドルームは広大で、シートも快適なので1日中運転していてもあまり疲れないだろう。ただ、「X-Line」は装備に物足りなさもあり、またいずれのグレードでもダッシュボード下部には安っぽいプラスチックが使われている。

ナビ周りの楕円形の囲いは気に入ったし、ドア前方のデザインも魅力的だ。インテリアは個性的でありながら機能的でもある。

エクステリアデザインも気に入った。キープコンセプトではあるのだが、大型化したフロントグリルや横長のヘッドランプは魅力的だし、窓を囲うような形状のテールランプも気に入った。

Soul X-Line

「GT-Line」と「X-Line」はいずれも、他の標準グレードとは外装が差別化されている。「X-Line」にはオーバーフェンダーや樹脂プロテクター、ルーフレール、フォグランプ、専用18インチホイールが装備され、ボディカラーをツートンにすることもできる。

「GT-Line」は前後デザインが標準車と違うものになっており、サイドシルやフロントに赤いアクセントが入っているほか、専用18インチホイールやフォグランプ、フラットボトムステアリング、大径ブレーキ、スポーツチューンドサスペンションも装備される。

新型ソウルは旧型モデルと比べてホイールベースが30mm、全長が56mm伸びている。その結果、フロントのレッグルームはわずかに拡大し、荷室容量は142L増えて674Lとなっている。

Bluetooth機器に2台同時接続可能な10.25インチインフォテインメントシステム(Android AutoおよびApple CarPlay対応)や8インチヘッドアップディスプレイ、サンルーフ、デュアルゾーンオートエアコン、シートヒーター、ステアリングヒーター、衛星ラジオ、10スピーカー640Wプレミアムオーディオシステムをはじめ、選択できる装備も充実している。

先進安全装備として、前方衝突回避システムやレーンキープアシスト、車線変更アシスト、ブラインドスポット警報、後方衝突警報、スマートクルーズコントロール、ハイビームアシストが設定される。

価格は「LX」のMT車が17,490ドルで、AT車は18,990ドルとなる。「S」と2.0Lの「GT-Line」はいずれも20,290ドルで、「X-Line」は21,490ドル、「EX」は22,690ドルとなる。「GT-Line」の1.6Lターボはそれなりに高く、27,490ドルとなる。

interior

燃費性能は2.0LのIVT車がシティ11.5km/L/ハイウェイ14.0km/L/複合燃費12.8km/Lで、2.0LのMT車は10.6km/L/13.2km/L/11.5km/L、1.6Lターボ車は11.5km/L/13.6km/L/12.3km/Lとなる。

ソウルは通勤用車として十分な性能と(特にターボ車は)そこそこのスポーティーさを兼ね備えているので、過剰に退屈なわけでもない。ボクシーなスタイリングは万人には受けないだろうが、退屈すぎない足車を求めている人にはぴったりな車だろう。

それに、ヒュンダイ・キアにはアルベルト・ビアマンもいるので、ソウルの高性能モデルも登場するかもしれない。そんな車が出たらきっとなお楽しいことだろう。