英国「Auto Express」による日産 マイクラ N-Sport の試乗レポートを日本語で紹介します。
今やBセグメントの強豪はほとんどが過激すぎないそこそこスポーティーなモデルを設定している。そして日産もようやくその流れに乗り、マイクラ N-Sport が誕生した。
N-Sport はコンパクトカーの平凡なイメージを打ち破るために設定された新グレードで、17インチアルミホイールやブラックの専用外装パーツ、アルカンターラインテリアなどが装備される。
N-Sport 登場と同時に行われたマイクラの一部改良ではルノー製の0.9L 3気筒エンジンが廃止され、ルノー・日産・三菱アライアンスの新設計1.0L 3気筒ターボエンジンが新設定された。標準モデルにはこの100PS版が搭載されるのだが、N-Sport には117PS版が搭載される。
117PS版のエンジンを搭載するモデルはステアリングやサスペンションのセッティングも変更されており、日産いわくこの N-Sport は「ウォームハッチ」だそうだ。しかし、その言葉を額面通りに受け取るべきではないだろう。
フォルクスワーゲン・ポロやフォード・フィエスタは N-Sport と同等性能のウォームモデルの歴史も長いし、その2倍近い出力を誇る本格派ホットハッチも数多く存在する。しかし、マイクラの場合は事情が異なり、117PS版エンジンは N-Sport の専用エンジンではなく、他の非スポーツグレードでも選択することができる。
100PS版も117PS版も、従来のマイクラのエンジンより明らかに良くなっている。性能の向上により、新型マイクラはポロやシュコダ・ファビア、セアト・イビーサのTSIエンジン搭載車だけでなく、定評のあるフィエスタのEcoBoost搭載車にも十分に対抗できそうだ。
117PS版のエンジンはオーバーブースト時に最大トルク20.4kgf·mを発揮する。このおかげで、0-100km/h加速は9.9秒を、最高速度は195km/hを記録する。これらの数字は偶然にも125PSのフィエスタと完全に一致している。
ただし、マイクラの走りはフィエスタほどシャープではない。エンジンの応答性はフィエスタに負けるし、6速MTの変速フィールにはわずかに緩さを感じる。それでも、このエンジンはこのクラスのベンチマークとも言えるフィエスタと同じ土俵に立てるレベルにある。
サスペンションやステアリングの変更も走りに良い影響を与えている。依然として運転する楽しさではフィエスタに勝てないし、街中での快適性ではポロに負けている。しかし、マイクラはこの2台の中庸の位置に立てている。ステアリングに緩さは残っているのだが、コーナリングの安定性は明らかに向上している。
高速走行時の快適性は驚くほど高い。WLTP燃費は17.0km/Lで、競合車はまだ新基準での燃費を発表していないので相対的な話はできないのだが、それでもこの数字は十分に競争力があると言えるだろう。
今回の一部改良ではインフォテインメントシステムも刷新されている。新システムも特別優秀とは言えないのだが、それでも改良されたのは嬉しい。応答性は従来より改善しているし、検索機能もより直感的になっている。専用のスマートフォンアプリにも対応し、音声認識機能も追加された。Apple CarPlayおよびAndroid Autoは最廉価グレード「Visia」を除いて全車に標準装備される。
インテリアに大きな問題はないのだが、ルーフラインが低いのでヘッドルームにはわずかに狭さも感じる。ただ、300Lという荷室はマイクラの強みで、競合車のほとんどに勝っているし、それどころかマツダ3(日本名: アクセラ)も超えている。
N-Sport の価格は19,005ポンドで、競合するフォルクスワーゲン・ポロ R-Line やフォード・フィエスタ ST-Line EcoBoost 125 と比べて特別安いわけではない。しかも、元が低価格なだけあって、もう少し背伸びすればフィエスタSTのような本格ホットハッチにも手が届いてしまう。
このシャシチューニングは N-Sport 専用ではなく、117PSのモデルすべてに共通であることを考えれば、中級グレードの「Acenta」の117PS版を選択したほうが賢明だろう。この場合、1,700ポンド節約することができるのだが、その代わりスポーティーな外装は手に入れることができない。
auto2014
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