カナダ「wheels.ca」によるアキュラ RLX スポーツハイブリッド SH-AWDの試乗レポートを日本語で紹介します。
アキュラ RLX はなかなか難しい車だ。RLXはアキュラのフラッグシップセダンであり、アキュラの中ではNSXに次いでパワーのある車だ。しかも、ただの高級車ではなく、ハイブリッドカーでもあるので、カタログ値11.9km/Lという燃費性能も実現している。
実際に運転してみても相当に速い。にもかかわらず、アキュラ RLXについて詳しく知っている人はほとんど存在しない。
正式名称 アキュラ RLX スポーツハイブリッド SH-AWD (Super Handling All-Wheel-Drive) は工夫に富んだ車だ。アキュラは運転する楽しさを犠牲にすることなく、4気筒エンジンの経済性とV8エンジンのパフォーマンスを両立しようとした。
RLXのフロントには3.5L V6直噴エンジンと、1基の電気モーターを内蔵した7速デュアルクラッチトランスミッションが搭載されている。
エンジン単体だけでも314PS/37.7kgf·mを発揮するのだが、さらにワンウェイクラッチにより接続されたリアの2基の電気モーター(55PS/14.9kgf·m)の駆動力が加わることで、合計382PS/47.2kgf·mを発揮する。
発進時には後輪を駆動するモーターのみが稼働し、そこから少しアクセルを踏み込むとエンジンとフロントのモーターによって前輪が駆動する。
走行中はモーター、エンジン、回生ブレーキの稼働状況がしっかりとモニタリングされ、常に最も効率的な走りになるように調整されている。
アクセルを踏み込めば、エンジンと3基のモーターすべてが全力を発揮し、驚異的な加速を見せてくれる。高速巡航時にはリアのモーターが駆動せず、前輪のみが駆動する。この点は一般的なハイブリッドカーと同様だ。
2014年に初期モデルに試乗した際、リア左右のモーターがトルク配分を行う(トルクベクタリング)ことで見事に回旋力を生み出していることを実感した。
コーナーではフロントのエンジンとモーターは前方へと車を引っ張る。リアではコーナー外側のモーターがプラス方向のトルクを発生させ、コーナー内側のモーターはマイナス方向のトルクを発生させる。
この機構によりヨーモーメントが変化し、後輪が回旋力を発生する。これによって、より綺麗で安定したコーナリングが可能となっている。難しい理屈に思えるかもしれないが、この機構は実際にしっかり機能する。
2014年に登場した初期モデルは見た目が退屈に感じたのだが、新型モデルにはTLXの2018年モデルとも共通のアキュラの新デザイン言語が採用されている。
新型RLXにはアキュラの「ダイヤモンドペンタゴングリル」のほか、新デザインのLEDヘッドランプやグロスブラックのリアディフューザーが採用され、ボンネット形状はより立体的になっている。
室内空間は高級セダンとしても十分に広く、ミラノレザーシートのデザインも変更されている。
ヘッドアップディスプレイや14スピーカーELSスタジオオーディオシステム、リモートエンジンスターター、LEDフォグランプ、ステアリングヒーターは標準装備となる。上級グレードの「Elite」にはKrellオーディオシステムや電動リアサンシェード、サラウンドビューカメラシステム、フロントシートベンチレーターが装備される。
先進安全装備も充実しており、アキュラ初の渋滞アシストシステムも備わる。このシステムは渋滞時にアダプティブクルーズコントロールと共に機能するもので、前走車との安全な距離を維持しつつ車線の間をキープすることでドライバーのストレスを軽減する。
価格はエントリーグレードが64,490ドルで、「Elite」は69,990ドルとなる。内容を考えればコストパフォーマンスは高いのだが、RLXには高級車に必要なブランドイメージが足りていない。
内外装がA7かA6だったらもっと注目されていただろう
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