米国「The Car Connection」によるラム 1500 の試乗レポートを日本語で紹介します。


1500

新型ラム・1500はピックアップトラックオーナーの車の使い方に配慮し、実用性以上に居住性を重視した。

とはいえ、新しいラムは最大牽引重量5,780kgと十分にパワフルで実用的なのだが、この車にとってそれはさして重要なことではない。ラム・1500 ララミー・ロングホーンには上質なレザーがふんだんに使われ、そして室内は木目に囲まれている。

アダプティブクルーズコントロールを使い、シートクーラーに冷やされつつ、19スピーカーのHarman Kardonオーディオシステムでライアン・ビンガムを聴きながら広大な室内で手足を伸ばせば、実用的なピックアップトラックというよりは豪華客船であるかのように感じる。

ピックアップトラックに重要なのは数字だ。ラム・1500の目玉となる数字は「12」と「100」だ。新型ラムのダッシュボードには12.0インチという巨大なタッチスクリーンが鎮座している。そして、クルーキャブのホイールベースは旧型と比べて100mm増加しており、その増加分は荷室ではなくすべて居住空間に充てられている。ホイールベース増加部のうち75mmは後席に充てられ、後席の居住空間はデルタ・コンフォートプラスよりも広いそうだ。残りの25mmは前席に充てられたのだが、前席はもともと広大だったので、違いはほとんど分からなかった。

発売当初搭載されるのは、お馴染みの5.7L V8エンジンのみで、最高出力400PS、最大トルク56.7kgf·mを発揮する。2018年中にはV6とV8の2種類のマイルドハイブリッドモデルが追加される予定で、ハイブリッド化により燃費性能は10%向上し、パフォーマンスはあまり変わらないそうだ。ただ、現時点では具体的なスペックや発売予定時期は明かされていない。また、2019年にはターボディーゼルが追加され、高速燃費は12km/Lを超えるそうだ。

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V8エンジンの音はNASCARを彷彿とさせる。フレーム部分に振動を防止する特殊な材質が追加された結果、超低速域で気筒休止システムが作動してもまったく気にならない。ラムによると、燃費性能は向上しているらしいのだが、具体的な数値はいまだ明かされていない。

新型ラムのフレームは前方からの衝突安全性にも配慮した設計となっている。ただ残念なことに、アダプティブクルーズコントロールやオートマチックエマージェンシーブレーキなどの先進安全装備は上級グレードにしか設定されない。

オプションのエアサスペンションは従来より機能が向上しているのだが、依然としてその最大のメリットは高速走行時に地上高を下げて空力性能を向上させる部分にある。標準のサスペンションも乗り心地は非常に良好だ。

今回はさまざまなモデルに試乗できた。アリゾナ州の荒れた砂利道では、6万ドル超の上級モデル「ララミー・ロングホーン」と、ビニールシートの商業向け低価格モデル「トレーズマン」、そして中級モデルの「ララミー」に試乗した。特に中級モデルの「ララミー」はGMC シエラ デナリやトヨタ・タンドラ 1794などの競合車と比べると1万ドル程度安いのだが、実力では拮抗している。

interior

ララミー以上のグレードにはインフォテインメントシステムがオプション設定される。このシステムはカスタマイズの幅が広く、そして非常に使いやすい。今回試乗したプロトタイプ車ではときどき誤作動も起こしたのだが、ラムいわく4月の発売までには改良されているそうだ。

エクステンドキャブにはフロントヒンジのリアドア(クルーキャブよりは短い)が付くのだが、あまり乗り込みやすいとは言いがたい。ただ、荷室長はクルーキャブが1,700mmであるのに対してエクステンドキャブは1,930mmとなる。ラムによると、いずれレギュラーキャブも追加される予定だそうだ。

4WDが必要なら、ラム・レベルを検討すべきだろう。レベルにはオフロードコースで試乗したのだが、フォード・F-150ラプターのようなスリルを得られた。レベルは他のモデルより地上高が25mm高く、グッドイヤーのWRANGLER DuraTracタイヤやロッキングディファレンシャルが装備され、インテリアカラーは赤と黒の組み合わせとなる。価格は47,000ドルで、内容を考えれば非常に安い。

私ならララミー・ロングホーンを選びたい。レザーと木目の組み合わせは高級さと派手さを巧く演出している。リクライニングシートで眠っている同乗者もきっと同意してくれることだろう。