英国「Auto Express」によるフォルクスワーゲン・ゴルフGTI の試乗レポートを日本語で紹介します。
※内容は2009年当時のものです。
初代ゴルフGTI がホットハッチというジャンルを生み出してから6世代、33年という歳月が流れたのだが、6代目となる新しいゴルフGTI も依然として実力のある車だ。新型ゴルフGTI はこれまでのどのゴルフGTI よりもパワフルで、快適性も増しているそうだ。しかし果たして、新型ゴルフGTI はヨーロッパでも特にホットハッチ人気の高いイギリスで高い評価を獲得することができるのだろうか。
5代目ゴルフGTI のスタイリングが好みなら、きっと新型も気に入ることだろう。エクステリアデザインに関してはあまり変化しておらず、昔ながらの GTI らしさも継承されているので、ファンも喜ぶはずだ。
フロントのハニカムグリルには1976年の初代モデル同様、赤いラインが入っているし、攻撃的なノーズはシロッコにも似ている。フロントバンパー両端に配置されたフォグランプやリアディフューザー両端に配置された2本の排気管は車幅を強調している。
地上高はフロントが22mm、リアが15mmそれぞれ低くなっており、黒電話のダイヤルのようなホイールとホイールアーチの隙間はかなり狭い。それに、派手すぎないリアスポイラーもスポーティーさを強めている。
タータンのスポーツシートは初代から変わっておらず、形状も素晴らしいし、長距離移動も苦にならないしなやかさも兼ね備えている。このシートと GTI のロゴ入りのフラットボトムステアリングを除いて、インテリアは基本的に普通のゴルフと同じだ。とはいえ、ゴルフに質感で勝る車はほとんど存在しない。
ゴルフGTI に搭載されるのは5代目にも搭載されていた2.0L TSI エンジンの改良版だ。ピストンやオイルポンプ、燃料ポンプが改良され、過給器が刷新されたことで、最高出力が10PS向上して210PSとなっている。
ミニJCWなどと比べてしまうとスペック的には見劣りするのだが、ターボチャージャーの過給は非常にリニアで、非常に力強く感じられる。ゴルフGTI と比べると214PSのクーパーは応答性が悪く感じられる。0-100km/h加速は6.9秒と決して遅くないし、力強いエンジンや排気音を体感すればこれ以上を求めることはないだろう。
ゴルフGTI の強みといえば、パフォーマンスと乗り心地の両立なのだが、新型でもその伝統は崩れていない。シロッコ譲りのアダプティブシャシーコントロールシステムにより、ドライバーは3種類のダンパーセッティング(コンフォート、ノーマル、スポーツ)を選択することができる。ボタンを押すだけで、超快適な高速クルーザーからイケイケのサーキットマシンに変身することができる。
唯一の不満点は、完全オフにすることのできないスタビリティコントロールだ。それほど侵襲的なシステムではないのだが、ちょっとしたスリップでも検知してラインを戻そうとする。とはいえ、介入は非常に滑らかなので、極限的な状況でなければ気にはならないだろう。
ステアリングは軽くて扱いやすく、フィードバックにも富んでいるし、ブレーキも強力だ。6速MTも操作していて楽しく、これほどまでにドライバーと車の距離が近い車はそうそうない。
ハッチバックの実用性とドイツ車の品質、そして驚異的なパフォーマンスを併せ持つゴルフGTI は、まさに理想の車と言えるのかもしれない。
また翻訳のお願いで申し訳ないのですが、現行シトロエン・C4のディーゼルモデルの記事があったら翻訳して頂けないでしょうか。日本一安いディーゼル輸入車の海外での評価が気になるので。
auto2014
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