英国「Auto Express」によるホンダ CR-V 1.5T の試乗レポートを日本語で紹介します。
ホンダによると、5代目となる新型CR-Vは2018年に登場するホンダの新型車の中でも最も重要なモデルだそうだ。CR-VはSUVの中でも世界販売台数がかなり多く、ホンダにとっては稼ぎ頭となる車であり、同時にホンダが欧州市場から4分の1もの車種を廃止した原因でもある。
おそらく、新型CR-Vの最大の注目点はディーゼルエンジンが設定されないことだろう。現在巻き起こっているディーゼルに対する向かい風のせいで、ホンダは2018年9月に発売される英国仕様CR-Vに1.5L VTECガソリンターボエンジンしか設定しない。ただし、2019年にはCO2排出量の少ないハイブリッドも追加される予定だ。
2WDやMTのモデルも設定されるのだが、おそらく最も売れるのは4WDとCVTの組み合わせだろう。ホンダは上級グレードが最も売れると予測しており、今回試乗したのも最上級グレードだった。
新型CR-Vのデザインは先代モデルである4代目CR-Vから大きくは変わっておらず、進化はしているとはいえ、基本的なボディスタイルは同じだ。全長も変わっていないのだが、ホイールベースは30mm延長され、リアシートのレッグルームが向上している。
実際、室内は広大で、もともと広さが強みであった旧型からさらに進化している。新型CR-Vには5人乗りモデルと7人乗りモデルが設定されるのだが、3列目シートはあくまでかなり小さな子供向けなので、ほとんどの人は5人乗りモデルを選ぶだろう。
5人乗りモデルは室内空間に余裕があり、前後ともレッグルームもヘッドルームも広大だ。それに、トランスミッショントンネルが邪魔にならないのでリア中央席も十分に実用できる。5人での移動にも不自由は感じないだろう。
インテリアはデザインの面でも質感の面でも向上している。大きくて見やすい液晶メーターはシビックと共通だ。ダッシュボードや手の届く範囲に使われているプラスチックの質感も向上しているのだが、ダッシュボード下部やドア下部には硬めのプラスチックも使われている。
7インチインフォテインメントディスプレイはピアノブラックのパネルに囲まれ、うまく調和している。ホンダらしく、ユーザーインターフェイスは少し使いづらいし、グラフィックもやや時代遅れなのだが、同価格帯の競合車と比べると、少なくとも見た目は洗練されている。
荷室も広いのだが、気になる部分もある。2列目使用時で荷室容量561Lが確保されており、ほとんどの競合車よりも広い。しかし問題なのは、旧型CR-Vの荷室容量は589Lだったので、フルモデルチェンジによって荷室が狭くなってしまっている。
とはいえ、リアシートを倒せば1,756Lもの荷室を使うことができるし、荷室フロアは高さを調節できるので、荷室をフルフラットにすることも可能だ。シートはストラップを引けば簡単にフラットに倒せるし、室内には数多くの収納スペースが用意されているので、家族にはかなり使いやすいだろう。
新型CR-Vの走りは旧型よりも向上している。新設計のステアリングシステムが採用されたことで、従来のような曖昧さはなくなり、よりシャープでリニアとなっており、応答性も向上している。アメリカでは新型CR-Vの販売が1年ほど前に始まっているのだが、欧州仕様車には新設計のダンパーを使った改良版のサスペンションシステムが採用されている。
イギリスの道路でどのような挙動をするのかはまだ分からないのだが、少なくとも今回の試乗会場であるオーストリアの道路では路面の衝撃も十分にいなしていたし、低速域での揺れもしっかり抑えられていた。
発売当初は1種類のエンジンしか設定されず、1.5Lの4気筒ガソリンターボエンジン以外に選択肢はない。このエンジンはシビックでは十分に力強く感じられるし、シビックの魅力的な走りにしっかり寄与している。
ただ残念ながら、CR-Vとの相性はそれほど良くなかった。クルージングでは問題ないのだが、加速時にはエンジンに負荷がかかり、CVTがそれなりに高い回転数を維持してしまうため、室内は決して静かとは言えない。2WDのMT車にも少し試乗してみたのだが、MT車のほうはさらにうるさかった。
14.1km/Lという燃費はCR-Vにしては良好のようにも思えるのだが、これはもうすぐ廃止されるそれほど厳しくないNEDC基準での値だし、今後はハイブリッドの追加も予定されている。ディーゼルエンジンを搭載する競合車のほうがランニングコストは低く抑えられるし、シュコダ・カロックやプジョー・3008にはより経済的で安価なガソリンエンジンが設定されている。
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