英国「Auto Express」によるアルピーヌ A110の試乗レポートを日本語で紹介します。


A110

2016年、ルノーのカルロス・ゴーン会長はアルピーヌ復活後の最初のコンセプトカーを発表した。そこで発表されたA110には1960年代の同名モデルとの類似性もあったのだが、BMWが復活させたミニとは違っていた。これは過去への追想ではなく、過去からの完全なる復活だ。

後輪駆動、ミッドシップレイアウト、1,000kgを切る車重。アルピーヌは最高のスポーツカーの要素をしっかりと満たしていた。そして発表から1年以上が経ち、ようやく市販モデルが発表された。今回は、252PSの1.8Lターボエンジンと7速DCTが搭載される市販モデルのA110に試乗した。

市販モデルの車重は1,103kgで、さすがに1,000kgを切るためにはカーボンファイバーを使わなければならないようだ。そんなことをすれば価格はあまりに高くなってしまうので、市販モデルにはアルミニウムが採用されているのだが、それでもなおA110は軽く感じられる。

見た目もかなり小さい。オリジナルのプロポーションを再現するため、リアスポイラーなどは装備されず、ダウンフォースは巨大なリアディフューザーによって確保される。ディフューザーの上のトランクは容量わずか100Lで、フロントのボンネットの下にも荷室はあるのだが、やはり同様に狭い。しかしこれもスポーツカーたる所以だろう。

rear

ドアはかなり軽く、まるでクラシックカーに乗り込むような気分になる。インテリアは質素さと高級感が見事に融合しており、ドアパネルのステッチレザーで覆われたグリップなどもなかなか嬉しい装備だ。

運転席はコンパクトなのだが、背の高い大人でも問題なく座ることができる。オプションのスポーツシートはサポート性は良いのだが硬すぎることもなく、センターコンソールには変速用のボタンとスターターボタンが配置されている。

メーターは2眼でいずれもデジタルディスプレイとなり、走行モード(スポーツ、ニュートラル、トラック)に応じて表示が変わる。モードによってトランスミッション、スロットルレスポンス、ステアリング、排気音を調整することができ、ESPを完全にオフにすることも可能だ。シフトパドルはステアリング自体ではなくステアリングコラムに固定されているのだが、パドル自体が十分に大きいのでステアリング回転中にも操作は可能だ。

A110はルノー・スポールのモデル同様、フランスのディエップで製造される。そしてA110を開発したのもRSの開発チームだ。最新のメガーヌRSの完成度の高さを考えると、A110にも高い期待がかかる。

interior

嬉しいことに、実際に運転してみても走りにはほぼ満足できた。ステアリングは軽くて正確でフィードバックにも満ちているし、アンダーステアの出方は緩徐で分かりやすい。それに、テールを滑らせて遊ぶこともできる。ただ、電子制御をオフにして激しい運転をしてしまうとスピンしてしまうかもしれない。

最小回転半径は小さく、ボディサイズ自体も小さいので、他のスポーツカーにとっては狭すぎるような道でもすいすい進んでいくことができる。DCTには懸念もあるのだが、少なくともクリオRS(日本名: ルーテシアRS)のDCTよりはよっぽど優秀だ。応答性は早いし、スポーツモードではキレのある変速をしてくれる。

そしてエンジンも魅力的だ。A110は見事な唸り声を上げ、時に後方からターボチャージャーの音も聞こえてくる。そしてアクセルを踏み込めば心地良い咆哮が響き渡る。もっとも、オプションのスポーツエグゾーストの影響もあったのだろうが。ターボラグは多少あるのだが、パワー不足を感じることはなかった。

最大トルク32.6kgf·mは2,000rpmから発揮される。これは発進加速には有利なのだが、あまり高回転まで回すことはできない。とはいえ、最高出力は252PSもあるので、A110は十分以上に速いし、パフォーマンスではポルシェ・718 ケイマンすらも脅かす。


New Alpine A110 2018 review