英国「Top Gear」によるキア・シードGTの試乗レポートを日本語で紹介します。
新型シードでは車名のアポストロフィが消えてしまったのだが、もうひとつ足りない文字があるようにも思える。この車は、GTI…ではなく、GTだ。しかし、昔ながらの原理主義者なら、クーペ以外の車に「GT」と名付けることを快く思わない人もいるだろう。
ともかく、細かい議論はここまでにしよう。キア・シードGTは207PSの1.6Lターボエンジンを搭載する新しいウォームハッチだ。パフォーマンスは本格派ホットハッチには及ばないのだが、このクラスのウォームハッチは他にもある。プジョー・308GTは228PSだし、セアト・レオンFRは193PS、そしてフォルクスワーゲン・ゴルフGTIは233PSだ。
シードGTは2019年春に発売予定で、今回は未完成のプロトタイプ車に試乗したのだが、まだ荒削りな部分もあった。例えば、高速ギアのまま加速しようとすると、力の出方はあまり滑らかではなく、急に加速してしまう。それに、全体的に見てこのエンジンはそれほど楽しくはなかった。
発進加速はどこか眠たい感じがするし、熾烈な高回転を楽しめるわけでもない。とはいえ、中回転域はターボのおかげで非常に扱いやすかった。スポーツボタン(DCTモデルのみに設定)を押せばスロットルのマッピングが変化する。高回転域で排気音はより迫力のある低音になる。排気音にも詰めの甘さは感じたのだが、もう少し手を加えれば満足できるものになるだろう。
シードGTにはMT車も設定されるのだが、今回は7速DCTのモデルに試乗した。3速と4速は加速性能重視でかなりショートとなっていた。おかげで207馬力が遺憾なく発揮され、十分なポテンシャルが感じられた。
シャシはおおむね良好だった。ステアリングは重さも適切だし挙動も滑らかで、非常に扱いやすかった。ワインディングロードではタイヤとの一体感を掴むこともできた。
バランスもよく、スロットルの微調整で車をコントロールするのも簡単だ。キアも親会社のヒュンダイも、最近では走りがまともな車をどんどん出してきている。それに、出力が控えめなのでトルクステアに苦しむこともない。
18インチホイールを履いているだけあって、鋭い段差を乗り越えるとその衝撃はそれなりに伝わってくる。しかし、スプリングやダンパーは基本的に路面の衝撃を問題なく吸収してくれる。ただ、正直なところタイヤノイズに関しては問題だと感じた。ひょっとしたら履いていたミシュラン Pilot Sport 4 に原因があるのかもしれないが。
外見は巨大なウイングやエアロパーツが付いているわけではないのだが、標準車との差別化はされている。フロントおよびリアバンパーは専用デザインだし、テールパイプは2本になっている。サイドシルやフロントグリルの内側には赤いアクセントも入っている。
標準のシードのインテリアは質感が高く、シードGTも基本的に変わっていない。ただ、シートやペダルはスポーツ志向のものに変更されている。また、好むと好まざるとにかかわらず、室内にはあちこちに赤い飾りが入っている。
この車の競争力はキアの値付けによるだろう。他のホットハッチと大差ない価格であれば苦戦するはずだ。しかし、競合車よりも安い価格設定であれば、また話は別になってくる。




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