中国車 6車種 試乗レポート その2の続きです。
これまでの経験からすると、比較的高価な中国車は低価格な中国車と比べると走りが圧倒的にまともだ。クオロス 5 は今回試乗した車の中では2番目に価格の高いモデルだった。クオロス 5 は前輪駆動のSUVであり、欧米で売れる車があるとしたらきっとこれだろう。価格は3万ドル程度で、中国市場では高級車に近い扱いとなっているそうだ。
1.6L 4気筒ターボエンジンを搭載しているため、特別速いわけではないのだが、駆動力は滑らかに伝わり、6速ATのチューニングもその日試した車の中では最も満足のいく完成度だった。中国市場向けの車は基本的にどんどんシフトアップしていく性格なのだが、クオロスの6速ATは必要に応じてしっかりキックダウンしてくれた。
それに、スポーティーなサスペンションや高性能なタイヤのおかげもあって、サーキットでも俊敏な走りを見せてくれた。インテリアはフォルクスワーゲンの影響を強く受けているように感じ、走りも旧型ティグアンに近いような印象を受けた。他の中国製SUVの走りの悲惨さを考慮すれば、クオロスは非常に優秀だった。
デザインに関しては、リアはポルシェ・カイエンに、フロントはレンジローバーイヴォークに似ているのだが、フロントグリルのデザインはなかなか個性的に思えた。全体的に、何かに似ているという印象はあるのだが、具体的に特定の車にそっくりというわけではない。しかし、欧米で通用させるためにはまだまだ改善の余地はあるだろう。