英国「Auto Express」によるミニ カントリーマン クーパーSE ALL4の試乗レポートを日本語で紹介します。


Mini PHEV

BMWグループの電動化はキドニーグリルを備えない車にまで広まっている。BMWはミニとしては初のプラグインハイブリッドカーを登場させた。今回は、カントリーマン クーパーSE ALL4にイギリス国内で試乗した。

このモデルには既に欧州の道路で試乗しており、その際には実力の高さに驚かされた。排出ガスが少ないのも魅力だし、なにより人気のクロスオーバーSUVのボディを身に纏っているし、ちゃんとガソリンエンジンも搭載されているのでいざというときにも安心だ。ミニによると、90%のユーザーは1日に50~60km程度しか走行しないらしく、そのような走行条件であればミニPHEVが合っているそうだ。

しかし、走行条件を街中のみに留めずとも、カントリーマンは開けた道における操作性も良好だ。EV航続距離は40kmで、スピードを出すとその距離がどんどん減ってしまうのだが、エンジンを始動すれば88PSの電気モーターの補助のおかげで驚くほど速く走ることができる。ただし、走る楽しさではガソリンのクーパーSには及ばず、「クーパーS」の名前はあまり当てにならない。

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とはいえ、静かな3気筒ターボエンジンと電気モーターはうまく協調しており、6速ATも時折ギクシャクしてしまうBMW 530eのトランスミッションと比べれば滑らかだ。敏捷性の高さや重いステアリング、タイトな操作性はベース車譲りだ。

しかも、モーターしか使用しないMAX eDriveモードではミニ史上初の”後輪駆動”になる(前輪はガソリンエンジンが駆動する)。ただ、PHEVを選ぶ大半の人は走りよりも経済性を重視するだろう。実際、運転スタイルにもよるがPHEVのランニングコストは非常に安い。

CO2排出量はわずか49g/kmなので、カンパニーカーの税率は最低率の9%となる。実質燃費は47.6km/Lで、58.8km/Lの三菱・アウトランダーPHEVには負けるのだが、アウトランダーと違って40,000ポンド以下で購入できるので、道路税310ポンド分が免除される。

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アウトランダーとは車格がまったく違うのだが、ミニはアウトランダーの顧客を奪うことを目標としているそうだ。三菱はアウトランダーPHEVで大成功を収めているのだが、見た目を重視する顧客なら、カントリーマンにより惹かれることだろう。

それに、ミニのインテリアにはソフトな材質が使われ、ミニらしくダッシュボード中央には丸く囲まれたスクリーンが配されている。ナビゲーションシステムやDABラジオ、Bluetooth連携機能、アルミホイール、クルーズコントロールは標準装備となる。荷室容量は405Lで、標準車よりも45L少ないのだが、リアシートの広さは変わらない。