英国「Auto Express」によるミニ(2018年モデル)の試乗レポートを日本語で紹介します。


Mini

1950年代生まれの初代ミニの復刻は自動車史に残るほどの難題だったはずだ。そしてBMWのもとで開発された”新世代”ミニは既に3代目となり、自動車史に残るほどの成功を収めている。

しかし、いかに新世代ミニが革新的だったとしても、あくまで普通の車であることは変わりない。時間が経てば飽きられてしまう。今の自動車界の発展スピードの中では、ミニのようなレトロクラシックな車すらすぐに古臭く見えるようになってしまう。

なので2018年にミニは改良を受けた。エクステリアデザインが変更されてガジェットが追加され、ボディカラーも見直されている。この変更により、ブランドのファンを裏切ることなく、同時に現代化することに成功している。この変更はハッチバックだけでなくコンバーチブルにも行われた。

フロントは従来とほとんど変わらないのだが、ミニのロゴが新しくなり、ライトも変更されている。英国仕様車はLEDヘッドランプおよびLEDデイライト(ウインカー兼用)が全車標準装備となる。ミニとしては初のマトリクスLEDも設定され、対向車に迷惑をかけないハイビームを実現している。

従来のミニが派手すぎると感じていた人のために、ブラックエクステリアパッケージというものも新設定された。これを選択するとフロントグリルやライト周りのメッキ部分がグロスブラックに変わる。ホイールには新たに3種類のデザインが追加され、エメラルドグレー、スターライトブルー、ソラリスオレンジの3色がボディカラーに追加された。

しかし、やはり注目すべきはリア部分だろう。テールランプは全車LEDとなり、ユニオンジャックをイメージしたデザインとなった。このデザインには賛否両論あり、一部市場では好みに応じて従来のデザインに戻すこともできる。ただし、英国仕様車にはその選択肢がないので、好きになるか我慢するしかない。

rear

カスタマイズの幅も広い。MINI YOURS CUSTOMISEDプログラムでは3Dプリンターを用いてサイドスカットルのデザインを変更することができる。その場所にはどんな文字を入れてもいいそうだ。試乗車にはウィリアム王子の名が刻まれていた。

インテリアはそれほど変わっていない。新型には全車に6.5インチのカラータッチスクリーンが装備され、ミニ版のBMW iDriveを介して操作することができる。ステアリングスイッチも標準装備だ。

インフォテインメントシステムをアップグレードするとさまざまなオンラインサービスが追加され、MINI Find Mateというサービスも利用できるようになる。これは専用のキーホルダーを車のキーやバッグなどに取り付けることで、その位置情報を車のスクリーンやスマートフォンのアプリ上に表示することのできるサービスだ。

当然、新しいインテリアカラーも追加されている。ブラウンのチェスターレザーシートやピアノブラックパネル(ユニオンフラッグのアンビエントライト付き)が新設定となった。

個性的なインテリアは作りはしっかりしているのだが、エルゴノミクスの問題点は残っている。リアシートは競合車より狭いので、リアに頻繁に人を乗せる人は他の車を検討したほうがいいかもしれない。特にフロントに背の高い大人が乗っているときには、後部座席はほぼ子供専用となる。それに荷室も狭い。

エンジンにも改良が加えられている。ベーシックなONEは1.2Lエンジンからクーパーに搭載される3気筒1.5Lのデチューン版に変更された。WLTP基準により、CO2排出量はグレードにもよるが4-6g/km上昇している。

interior

ONE、クーパー、クーパーD、クーパーSには標準設定の6速MTに加えてオプションで7速DCTが選択可能だ。クーパーSDは8速トルコンATが標準設定される。

シャシには手が加えられていないのだが、それは悪いことではない。ミニの運転する楽しさはクラストップレベルだったし、それは今でも変わっていない。クーパーSも快適性とパフォーマンスを見事に融合しているのだが、やはり力強いパワートレインと楽しいハンドリングを併せ持つクーパーが最も魅力的だと感じた。

シフトレバーはチープなのだが、6速MTは非常に楽しく、スポーツモードではシフトダウンを滑らかにするために自動的にブリッピングしてくれる。新設計の7速DCTも従来と比べるとかなり改善しており、エンジンのキャラクターとも合っている。

ミニほどのコーナリング性能を持つ小型ハッチバックはほとんどないし、ミニほどのフィードバックをもたらしてくれる車はなおのこと少ない。タイトなワインディングを攻めるとき、ステアリングから伝わってくるフィールは見事としか言いようがない。シャシ性能の高さもあって、かなりきびきびした印象を受ける。今でもフォード・フィエスタや DS 3 に勝てる実力を持っている。

ONEは約1,000ポンド値上がりして15,900ポンドとなり、5ドアモデルは3ドアより700ポンド高くなる。値上がりしたので残念に思う人もいるだろうが、装備内容も増えているのでコストパフォーマンスはそれほど変わっていないだろう。