英国「AUTOCAR」によるサーブ 9-5 スポーツワゴンの試乗レポートを日本語で紹介します。


9-5 SW

今回は、それぞれ異なるシャシセッティングの3台の9-5スポーツワゴンに試乗した。スポーツワゴンはスプリング、ダンパー、スタビライザーのすべてがセダンとは異なるチューニングとなっており、フロントサスペンションのトップマウントは新設計となっている。

今回試乗したのはすべて量産前の個体であり、まだ未完成な部分もあった。とはいえ質感は十分に高く、荷室は527Lと広大だし、アンダーフロアの収納空間も広い。リアシートも十分に広いのだが、5m超というボディサイズを考えれば驚くほどでもない。

走行性能もそれなりに高い。「コンフォート」のシャシセッティングは細かな段差でややぎくしゃくすることはあったのだが、基本的には満足の行く完成度だ。

rear

「スポーツ」シャシはかなり優秀だった。ボディをしっかりとコントロールし、敏捷性も高い。ただ、60km/h以下では乗り心地が悪くなってしまうので、低速域の乗り心地には改善の余地がある。

オプションの「ドライブセンス」シャシには磁性ダンパーが装備され、3台の中では最も好印象だった。「スポーツ」シャシと同等の操作性を維持しつつも乗り心地は良好だ。ただしコーナー途中の段差などではサスペンションの挙動が怪しくなることもある。最も素直だったのは「スポーツ」なのだが、乗り心地も考慮すると「ドライブセンス」の方が魅力的に思えた。

いずれのシャシも操作性は高かった。他の前輪駆動の競合車と比べても、落ち着きがあり正確で、応答性が良くリニアだった。しかも、走りは9-5セダンとほとんど変わらず、後ろを見なければセダンとの違いが分からないようなワゴンを目標に開発されたそうだ。

interior

なので、ダッシュボードのデザインはセダンとまったく変わらない。サーブらしさはあるのだが、わずかながらGM共用品も使われており、BMW 5シリーズやメルセデス・ベンツ Eクラスほどの高級感はない。

NVH性能は高く、搭載されるディーゼルエンジンに大きな問題はないし、ヴォクスホール・インシグニアのディーゼルエンジンよりはずっと良いのだが、競合車と比べると静粛性は低い。

この車にはまだ荒削りな部分もいくらか存在する。特にディーゼルモデルを検討している場合、BMWやメルセデスほどの完成度は得られない。