英「The Sunday Times」による初代ランドローバー・フリーランダーのレビューを日本語で紹介します。


Freelander

2006年に販売を終了した初代ランドローバー・フリーランダーは20万台以上を売り上げ、ランドローバーのベストセラー車となった。しかし、ランドローバーにとっては成功となった初代フリーランダーであったが、購入者はそれほど満足できなかったはずだ。この車は恐ろしいほど信頼性が低く、枚挙に遑がないほどの欠点が存在した。

フリーランダーが人気を博した理由はすぐに分かる。オフロードだけでなくオンロードでの性能も高いし、5ドアモデルなら5人の家族とその荷物を余裕を持って乗せることができる。ショートホイールベースの3ドアモデルのほうが見た目は良いのだが、実用性は5ドアほど高くない。いずれにしても、子供を送迎する母親に人気を博すだけの魅力があった。

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1997年に発売され、当初は1.8Lガソリンエンジンと2Lディーゼルエンジンが設定された。しかし、中古車を購入することを検討しているなら初期モデルは選ぶべきではない。購入する価値があるのは、BMW製のTD4エンジンを搭載する2000年8月発売モデルだけだ。そしてその直後に2.5L V6ガソリンエンジンも追加されている。

それでもなお初代フリーランダーが欲しいなら、2003年9月のマイナーチェンジ後のモデルを勧めたい。内外装ともに大幅に変更され、装備内容も充実しているし、品質も格段に向上している。ただ、問題がまったくなくなったわけではないし、装備内容の貧弱なエントリーグレードは避けるべきだ。

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しかし、初代フリーランダーを買うくらいなら、日産・エクストレイルやホンダ・CR-V、トヨタ・RAV4などの競合車を検討したほうがいいだろう。いずれもフリーランダーよりは信頼性が高いし、比較的走破性の高いエクストレイルを除いてオフロード性能はランドローバーに大きく劣るのだが、オンロード性能は3台とも非常に高い。

それでも、フリーランダーほど万能な競合車は存在しない。故障ばかりの車ではあるのだが、それを差し引いても愛せるような車だ。フリーランダーを所有するのはリスクがあるのだが、フリーランダーに乗るという経験自体は素晴らしいものだ。