米国「AUTOWEEK」による新型 ホンダ・インサイトの試乗レポートを日本語で紹介します。
「ハイブリッドカーこそ未来の車だ」と言われ続けてもう30年近くが経っている。しかし、ようやくそれが現実になろうとしている。ホンダはハイブリッドカーと純EVをまとめて「電動化車両」と呼んでおり、2030年までに世界販売の2/3を電動化車両にする計画だ。それゆえ、今後電動化車両はさらに身近になってくるだろう。
初代インサイトは1999年に登場した。JPLの技術者やNASAの科学者など、その異常なまでの効率性の高さを評価した人たちの間ではかなり受け、物理学を専攻する学生の憧れとなった。初代インサイトは当時としては究極的な効率を誇っており、空力性能を追求した結果、リアトレッドがフロントトレッドよりも狭くなっていた。
この車には2人しか乗れないという重大な欠点が存在したのだが、初代インサイトは30km/Lという驚異的な燃費性能を誇っていた(もっとも、当時は安全基準も緩かったし、遮音性や乗り心地、室内空間、装備などは現代の基準とはかけ離れている)。
2008年にはより実用性の高くなった2代目インサイトが登場し、成功が期待されたのだが、最も売れた年でも年間販売台数は2万台で、ハイブリッドカーの代名詞としての地位はプリウスに持っていかれてしまった。そして結局、インサイトは市場から姿を消すこととなった。
そしてようやくインサイトが復活したのだが、その見た目は10代目シビックと瓜二つだ。事実、シャシやルーフ、リアクォーターパネル、そしてインテリアのほとんどは10代目シビックと共通だ。
シビックとインサイトのホワイトボディを並べてみれば、その違いはまったく分からないだろう。しかしそれは悪いことではない。シビックのプラットフォームは完成度が高く、ハイブリッドカー用としても何ら問題はない。それに、販売目標数万台程度のインサイト専用にシャシを新規開発するのはコスト面でも厳しい。
インサイトには3種類のグレード(「LX」、「EX」、「Touring」)が設定され、すべてハイブリッドパワートレインを搭載する。ホンダの2モーターハイブリッドシステムの第3世代が採用され、状況に応じ、シリーズハイブリッド、パラレルハイブリッド、EVのいずれにも変化できる。
1.5L 4気筒の高効率アトキンソンサイクルエンジンが搭載され、高回転域における効率を追求した結果、低回転域におけるトルクが犠牲になっている。エンジンの最高出力は108PSで、最大トルクは13.7kgf·mとなる。犠牲となった低速トルクを補うのが、131PS/27.2kgf·mのAC永久磁石同期モーターだ。このモーターは発電機およびセルモーターとしての役割も担う。システム出力は154PSとなる。
前輪に駆動力を送る方法は3種類存在する。EV駆動時には電気モーターのみを使用し、エンジンを始動させずに1.6km程度走行することができる。ハイブリッド駆動時もタイヤを駆動するのはモーターのみで、エンジンは発電機を動かしてバッテリーを充電する。要するにこれはシリーズハイブリッドだ。そして、高速走行時にはエンジン駆動となり、ガソリンエンジンが直接タイヤを駆動する。こちらはパラレルハイブリッドだ。
必要に応じて、「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」の3種類の走行モードを選択することができる。また、回生ブレーキの強さも3段階から選択できる。
今回の試乗車はフル装備の「Touring」だった。乗りはじめてすぐ、低速走行時の静粛性の高さを実感した。低速であればエンジンが始動しても静かだった。ノイズキャンセリングシステムによって低周波のエンジン音はほぼ打ち消されるのだが、速度を上げてエンジンの回転数が上昇するとエンジン音がはっきりと聞こえるようになる。
アクセルを踏み込むと4気筒エンジンが狂ったように回りはじめ、バッテリーに電気を供給する。この状況ではまるでCVT車に乗っているような感覚なのだが、実際は言うまでもなく違う。さらに加速して高速域に至るとガソリンエンジンが駆動輪と直結し、パワートレインは再び落ち着きを取り戻す。
プリウスと比べるとインサイトのハンドリングは圧倒的に優れている。試乗途中、実際にプリウスも運転して比較してみたのだが、プリウスはやはり鈍さを感じた一方で、直線では非常に快適に運転できた。
手元のiPhoneで0-100km/h加速を簡易的に計測してみたのだが、インサイト(8.4秒)はプリウス(10.4秒)よりも2秒速かった。正確な計測ではないのだが、なかなか面白い結果だった。ちなみに、ホンダによると、インサイトはプリウスよりも1.5秒速く、0-100km/h加速は8秒を切るそうだ。
ハイブリッドカーを購入するとき、インサイトとプリウスのどちらを選ぶべきだろうか。もし活き活きとしたハンドリングを求めているなら、インサイトを選ぶべきだろう。インサイトは6月29日に発売され、価格は23,725ドルからとなる。ちなみに、最上級グレードの「Touring」は28,985ドルだ。一方、プリウスの価格は24,400ドル~34,490ドル程度となる。ちなみにインサイトのカタログ燃費は22km/Lでプリウスとほとんど変わらない。




インサイトとは名ばかりで実質的にシビックハイブリッドの様なものなんでしょうかね。
初代のインサイトは今見ても工学的な美しさを兼ね備えている未来の車と言った印象を受けるのですが、この車からは正直何のオーラも感じられません。
ホンダさんにはもっと派手にやって欲しいものです。
昔みたいにとは言わないですが、何かこう一皮むけるものがあればより良い製品が生まれてくると思ってます。