米国「AUTOWEEK」によるボルボ V60 T6ポールスターの試乗レポートを日本語で紹介します。


V60 Polestar

今回試乗したのは2月に発表されたばかりの新型V60ではない。今回試乗したのはモデル末期のV60ポールスターであり、おそらくはポールスターがチューニングを施した最後のボルボ車になるだろう。この事実を重く捉えるかどうかは、スカンディナヴィアへの思い入れによるだろう。

今や現行S60およびV60が発売されてからそれなりに時間が経っているのだが、魅力的なデザインや総合力の高さは未だ色褪せていない。現行最後のV60は基本設計こそ古いものの、ボルボ製の新型ツインチャージ(ターボチャージャー+スーパーチャージャー)2.0L 直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力367PSを発揮する。

V60は半分亡霊のような存在だ。アメリカではステーションワゴンなどほとんど見かけないし、ましてやボルボのワゴンなど滅多に見かけず、特にポールスターのモデルともなるともはや幻のような存在だ。

rear

高級電気自動車ブランドとして独立するポールスターの、チューナーとしての最後の作品であるV60ポールスターに関しても、アメリカで見かけることはまずないだろう。しかしむしろ、それは嬉しいことなのかもしれない。

以前、V60クロスカントリーのインテリアデザインについて、「古さを感じる」と評価したことがある。物理ボタンが多いインターフェースは非常に使いやすく、中にはV90やXC90の魅力的なインテリアよりも良いと評する人もいるのだが、しかしやはりシャシ同様、時代とは逆行している。

ポールスターのグリップ性能は非常に高いのだが、乗り心地にその皺寄せが行ってしまっている。最近の車ではエアサスペンションやマグネティックダンパーなどの採用によって排除されている昔ながらの嫌な硬さがV60には残っている。アトランタやロサンゼルスを走る分には良いのだろうが、デトロイトのアスファルトはきついだろう。

interior

エンジンに関してはまったく文句はない。4気筒ツインチャージはかなり魅力的であり、BMWやアウディのドライバーすら魅了するかもしれない。

今回、ポールスターの試乗ができたことを非常に嬉しく思っている。これはひとつの時代の終焉を示す一台だ。しかし果たして、この車に62,500ドルものお金を支払う価値はあるのだろうか。

ごく少数のポールスターファンにとっては、その答えは「イエス」だろう。チューナーとしてのポールスターへの餞別にはぴったりの車だ。そしてこれから、テスラと戦う新生ポールスターの時代がやってくる。