米国「Motor1」による中国車6車種の試乗レポートを日本語で紹介します。

その2はこちら


CS15 EV

自動車評論家の仕事を長く行っていると、中国に行って車の試乗を行うという経験も何度かしたことがある。しかし、煙を吐きながら車線の狭い道路をひた走るバスに揺られ、さらに狭い泥道まで行くと、今回の試乗はいつもの試乗イベントとは違うものだということを理解しはじめた。

中国という国は馴染みがあるようで馴染みがなく、馴染みがないようで馴染みのある場所だ。バス停に到着し、目の前にあったのが豪霆福崗サーキットだ。ここは全長1.5km程度の小さなサーキットで、大きさ的にはアメリカの地方によくある小規模サーキットとさして変わらないのだが、ランオフエリアや安全柵などは存在せず、周りにはカモ農場があり、その景色はカンザスのそれとはまったく違っていた。

そこには巨大な宣伝旗とともに到底サーキットには似合わないような6台の車が並んでいた。中には見慣れたメルセデス・ベンツ Eクラスやお馴染みのBMW顔をした小型セダンもあったのだが、それ以外の中国車はどれも初めて見たものばかりだった。

この見慣れぬ4台に乗ることこそが今回の目的だ。私は広州モーターショーに招待されて中国まで来たのだが、実際に中国まで足を運んだ最大の目的はこの豪霆福崗サーキットに来ることだった。ここ数年で中国の自動車市場は爆発的に成長しているのだが、私はずっと中国人が乗っている車がどういうものなのかを知らずにいた。どうしても、低品質で走行性能も酷いという先入観はあった。しかし今回、実際に中国車を運転し、正直な感想を書きたいと思う。

ただ、本題に入る前に、いくつか注意点を書いておきたい。今回の試乗は非常に短時間で、勾配もないハンドリングコース(コーンが並べられていた)で行った。メインの試乗車がクロスオーバーSUVやミニバンであったことを考えれば、あまり理想的な試乗環境とは言いがたい。それに、試乗時には試乗車のスペックについてほとんど知らなかった。各車に関する公式情報もかなり大雑把で、後述するスペックには一部推測も含まれている。

(各車の試乗レポートについては下記リンクを参照)

ボルクヴァルト BX7

125i Sedan

その他

他に用意されていた3台の車のうち、もっとも興味を惹かれたのは長安汽車 CS15 EVだ。残念ながらすぐに充電が切れてしまったので、実際に運転することはできなかった。スペック的なことはよく分からないのだが、インテリアはトヨタ・プリウスやシボレー・ボルトの要素をうまく取り入れていたように感じた。

他にもロングホイールベースのメルセデス・ベンツ E320Lや前輪駆動のBMW 1シリーズセダン(いずれも中国で製造される)が用意されていた。FFの1シリーズを運転するという経験は、決してわくわくするものではなかったが、なかなか新鮮だった。個人的にはマツダ3(日本名: アクセラ)の豪華版という印象を抱いた。一方、Eクラスは…長かった。正直なところ、Sクラスより低価格のリムジンであるという点を差し引いて考えれば、特に何も印象には残らなかった。

WEYもボルクヴァルトも欧州市場への参入に意欲的だそうだ。WEYやボルクヴァルトの実力を考えれば、いずれ自分の身の回りに中国車が走り出す日もそれほど遠くないように思う。当然、まだ課題も多いのだが、中国という国は日に日に身近になってきている。