今回は、英国「Auto Express」によるスズキ・スイフト 1.2 DUALJET SHVS ALLGRIP の試乗レポートを日本語で紹介します。

2017年6月に新型スイフトが発売される。スズキは野心的な目標を抱いているようだ。スイフトの販売台数のピークは2007年の15,000台なのだが、昨年はそれに次ぐ1,100台の売り上げを記録している。スズキの目標販売台数は昨年の2倍だそうだ。新型スイフトには多くの期待がかかっている。
以前に1.0L ブースタージェットガソリンエンジンを搭載するモデルにも試乗しているのだが、今回は自然吸気1.2L デュアルジェットエンジンを搭載する「SHVS」48Vハイブリッドシステム採用モデルに試乗した。試乗車には「ALLGRIP」4WDシステムも装備されていた。
4WDが設定されるのはBセグメントではセールスポイントになるだろう。これまでは、このクラスで4WDが欲しい場合、フィアット・パンダ4x4を選ぶか、日産・ジュークなどの高価なクロスオーバーSUVを選ぶしかなかった。ただし、4WDを選ぶと妥協しなければならない部分も出てくる。4WDが設定されるのは1.2Lガソリンエンジンを搭載する最上級グレードだけで、1.0Lエンジン搭載モデルと比べると1,000ポンドも高くなってしまう。
燃費も2WDモデルよりは悪化するのだが、その差はそれほど大きくない。2WDモデルが23.3km/Lなのに対し、4WDモデルは22.2km/Lで、CO2排出量の差も3g/kmしかないので、初年度の道路税の差はわずか20ポンドだ。これはきっと、スズキの軽量化技術のおかげだろう。ベースグレードの車重はわずか890kgで、今回試乗した上級グレードの4WD車すらわずか980kgだった。同クラスの車はほとんどが1,000kgを超えている。

軽さは運転中にはっきりと感じられる。1.2Lエンジンのパフォーマンスはごく平凡なのだが、数字以上に力強く感じられる。ただし、ブースタージェットエンジン搭載車と比べるとより回さなければならないし、トランスミッションは滑らかなのでそれが苦になることはないのだが、フォルクスワーゲン・ポロと比べると運転に疲れやすい。それに、静粛性もそれほど高くはなく、高回転域ではやかましい4気筒のエンジン音が聞こえてくる。1.0Lモデルの方が静かだし、音も気持ちいい。
SHVSシステムはほとんど運転中にはその動作を感じられないのだが、発進は非常に静かで滑らかだ。それに、加速時にはわずかながらモーターによるアシストの恩恵も得られる。
試乗コースは舗装路だけだったので確かめられなかったのだが、4WDとはいえ地上高は低いので、オフロード走行にはあまり向いていないだろう。とはいえ、ALLGRIPシステムのおかげでウェット路面でも安心して運転できたし、高速コーナリング時のアンダーステアも抑えられていた。ただ、普通に運転している限りでは違いになど気付けないだろう。
いずれにしても、スイフトは俊敏で楽しく、動きも安定しているし、ステアリングも優秀だ。残念なことに、ハンドリングのせいで乗り心地はやや犠牲になっており、小さな段差を乗り越えると揺すられ、大きな段差では衝撃がしばしば室内に伝わってくる。タイヤノイズもかなり大きい。軽量化の代償として、遮音材はかなり削られてしまっているようだ。

最上級グレードの「SZ5」には装備が満載されている。ナビや自動ブレーキ、LEDヘッドランプ、アダプティブクルーズコントロール、16インチアルミホイールはすべて標準装備だ。しかも、DABラジオやLEDデイライトはベースグレードでも標準装備となっている。
1.0Lターボエンジンを搭載する中級グレード「SZ-T」を選ぶのが賢明だと思う。装備も十分にあるし、価格はより上質なBセグメント車よりも安く済む。ちなみにスイフトのダッシュボードはデザインこそ良いのだが、プラスチックは全体的に硬くて安っぽい。ナビ(SZ5のみに装備)の有無にかかわらず、タッチスクリーンインフォテインメントシステムは使いづらく、グラフィックも時代遅れな感がある。
室内空間は従来モデルよりかなり改善しており、リアにも十分なヘッドルームおよびレッグルームがあるので、身長180cmの大人でも短距離移動なら問題なく行える。荷室も拡大しているのだが、265Lという容量は同クラスの中で特別広いわけではない。
New Suzuki Swift AllGrip 2017 review

2017年6月に新型スイフトが発売される。スズキは野心的な目標を抱いているようだ。スイフトの販売台数のピークは2007年の15,000台なのだが、昨年はそれに次ぐ1,100台の売り上げを記録している。スズキの目標販売台数は昨年の2倍だそうだ。新型スイフトには多くの期待がかかっている。
以前に1.0L ブースタージェットガソリンエンジンを搭載するモデルにも試乗しているのだが、今回は自然吸気1.2L デュアルジェットエンジンを搭載する「SHVS」48Vハイブリッドシステム採用モデルに試乗した。試乗車には「ALLGRIP」4WDシステムも装備されていた。
4WDが設定されるのはBセグメントではセールスポイントになるだろう。これまでは、このクラスで4WDが欲しい場合、フィアット・パンダ4x4を選ぶか、日産・ジュークなどの高価なクロスオーバーSUVを選ぶしかなかった。ただし、4WDを選ぶと妥協しなければならない部分も出てくる。4WDが設定されるのは1.2Lガソリンエンジンを搭載する最上級グレードだけで、1.0Lエンジン搭載モデルと比べると1,000ポンドも高くなってしまう。
燃費も2WDモデルよりは悪化するのだが、その差はそれほど大きくない。2WDモデルが23.3km/Lなのに対し、4WDモデルは22.2km/Lで、CO2排出量の差も3g/kmしかないので、初年度の道路税の差はわずか20ポンドだ。これはきっと、スズキの軽量化技術のおかげだろう。ベースグレードの車重はわずか890kgで、今回試乗した上級グレードの4WD車すらわずか980kgだった。同クラスの車はほとんどが1,000kgを超えている。

軽さは運転中にはっきりと感じられる。1.2Lエンジンのパフォーマンスはごく平凡なのだが、数字以上に力強く感じられる。ただし、ブースタージェットエンジン搭載車と比べるとより回さなければならないし、トランスミッションは滑らかなのでそれが苦になることはないのだが、フォルクスワーゲン・ポロと比べると運転に疲れやすい。それに、静粛性もそれほど高くはなく、高回転域ではやかましい4気筒のエンジン音が聞こえてくる。1.0Lモデルの方が静かだし、音も気持ちいい。
SHVSシステムはほとんど運転中にはその動作を感じられないのだが、発進は非常に静かで滑らかだ。それに、加速時にはわずかながらモーターによるアシストの恩恵も得られる。
試乗コースは舗装路だけだったので確かめられなかったのだが、4WDとはいえ地上高は低いので、オフロード走行にはあまり向いていないだろう。とはいえ、ALLGRIPシステムのおかげでウェット路面でも安心して運転できたし、高速コーナリング時のアンダーステアも抑えられていた。ただ、普通に運転している限りでは違いになど気付けないだろう。
いずれにしても、スイフトは俊敏で楽しく、動きも安定しているし、ステアリングも優秀だ。残念なことに、ハンドリングのせいで乗り心地はやや犠牲になっており、小さな段差を乗り越えると揺すられ、大きな段差では衝撃がしばしば室内に伝わってくる。タイヤノイズもかなり大きい。軽量化の代償として、遮音材はかなり削られてしまっているようだ。

最上級グレードの「SZ5」には装備が満載されている。ナビや自動ブレーキ、LEDヘッドランプ、アダプティブクルーズコントロール、16インチアルミホイールはすべて標準装備だ。しかも、DABラジオやLEDデイライトはベースグレードでも標準装備となっている。
1.0Lターボエンジンを搭載する中級グレード「SZ-T」を選ぶのが賢明だと思う。装備も十分にあるし、価格はより上質なBセグメント車よりも安く済む。ちなみにスイフトのダッシュボードはデザインこそ良いのだが、プラスチックは全体的に硬くて安っぽい。ナビ(SZ5のみに装備)の有無にかかわらず、タッチスクリーンインフォテインメントシステムは使いづらく、グラフィックも時代遅れな感がある。
室内空間は従来モデルよりかなり改善しており、リアにも十分なヘッドルームおよびレッグルームがあるので、身長180cmの大人でも短距離移動なら問題なく行える。荷室も拡大しているのだが、265Lという容量は同クラスの中で特別広いわけではない。
New Suzuki Swift AllGrip 2017 review