今回は、英国「Top Gear」によるBセグメントハッチバック5台(フォード・フィエスタ、シトロエン C3、日産 マイクラ、セアト・イビーサ、ヴォクスホール・コルサ)の比較試乗レポートを日本語で紹介します。

向かって左側から順に、マイクラ、C3、フィエスタ、イビーサ、コルサ。
困ったことに、2017年は売れ筋の車がせめぎ合う戦国時代になりそうだ。フォードはフィエスタを年間10万台以上製造するのだが(その大半は今回試乗した上級グレードのTitaniumではなくZetecだ)、評判の良かった先代モデルから大きく変身したわけではない。
今回は比較対象として、抽象的なシトロエン・C3、漫画チックな日産・マイクラ、シャープなデザインのセアト・イビーサ、派手派手しいヴォクスホール・コルサを用意した。いずれも独自の3気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションはMTとなる。
試乗したフィエスタのボディカラーはグレーだったのだが、それを差し引いてもフィエスタ Mk VIIIのデザインは魅力的だった先代と比べると見劣りする。旧型フィエスタは停滞していたBセグメント車のデザイン水準を引き上げた。新型フィエスタは、個性の薄れたデザインで個性派揃いの競合車と戦っていかなければならない。
おそらく、新型フィエスタは旧型をベースにしているだろう。というのも、旧型は走りも販売実績も優れており、基礎がしっかりしていたため、完全新規に開発するよりも、旧型の問題点を潰すほうがよっぽどコストを抑えられたはずだ。
ただし、トニー・ブレア首相が在任中の、アトミック・キトゥンが大ヒットしていた時代を感じさせるインテリアは改善を要した。しかしそれ以外は、3気筒ターボのEcoBoostエンジンも、ハンドリングも、室内空間も、特段手を入れる必要はなかった。
新型フィエスタでは、エアコンの操作系が整理され、その上部には新しいタッチスクリーンが配置されている。ドライビングポジションも改善して、より低い着座位置に設定することも可能となった。フィエスタの室内装備は元々非常に扱いやすかったのだが、新型ではさらに質感も向上している。それに、価格もそれほど上がっていない。100PSのZetecは17,000ポンドを切る価格で、自動駐車機能や衝突防止システムが付いてくる。
コルサの2年前のモデルチェンジもフィエスタ同様保守的だったのだが、コルサのほうがより変化は少ない。旧型の悪い部分を削ぎ落とすモデルチェンジだった。新型コルサには1.0L 3気筒ターボエンジンが搭載され、タッチスクリーンも装備される。ただし、エアコンの上にスクリーンのある新型フィエスタとは違い、コルサはスクリーンがエアコンの下にあるため、運転中にApple CarPlayを使用すると視線移動が多くなってしまう。ちなみに、CarPlayは18,000ポンドの日産・マイクラ以外、試乗車すべてに装備されていた。ちなみに、マイクラには日産独自のナビゲーションシステムが装備される。
そんなマイクラはモデルチェンジで激変している。新型マイクラは暴力的なまでに変貌している。昔ながらの車が欲しい老人はヒュンダイを選んだほうがいい。変わったのは新幹線のごとき鋭角のスタイリングばかりではない。着座位置は低くなり、ステアリングはGT-R風になり、ヘッドレストにはBOSEのスピーカーが組み込まれ、シャシはミニすら脅かす「ゴーカートフィール」になっている。
Top Gear誌を購読している方はご存知かと思うが、16,000ポンドの個性的なシトロエン・C3と忍者風のマイクラは2017年3月よりTop Gear誌の長期テストを行っている。この2台には共通点も多い。いずれも旧型モデルから大胆な変貌を遂げている。
旧型C3は背が高く、ホンダ・ジャズ(日本名: フィット)にも似た実用派ファミリーカーだった。新型C3も背は高い(クロスオーバーSUVにも迫るほどだ)のだが、強烈な個性を持つC4カクタスにも似たデザインを採用し、室内は派手に飾り立てられ、ボディサイドには衝撃吸収パネルが付く。車重は今回比較した5台の中で最も軽く、ヴォクスホールよりも100kg以上軽い。
C3には1.2Lの3気筒ターボエンジンが搭載され、最大トルクは20.9kgf·mと強力だ。シャシは5台のうちでもっとも荒削りながら、パワートレインは非常に力強い。C3は快適志向で、ステアリングは軽く、変速は指一本でできるほど緩いのだが、足回りは硬めで乗り心地はあまり良くない。ただし、高速道路では非常に安定しており、快適に運転することができる。

大仰なオーディオを楽しむこともできるし、車自体の機能とは関係のないものはすべてタッチスクリーンを介して操作することになる。従来のプジョー・シトロエン車よりは扱いやすいものの、エアコンの操作を物理ボタンでできる他の4台と比べるとやはり扱いづらい。ガラスルーフは装備するべきではないだろう。これを付けると室内空間が狭くなるし、室内の温度も変化しやすくなってしまう。
旧型マイクラは醜くて安っぽい、かろうじて乗用車と呼べる程度のマレーシア製品だったのだが、新型は大変身している。コーナリングは5台の中で最もフラットだし、それでいて、スピードバンプを乗り上げた際の衝撃はC3よりも少ない。ドアハンドルが隠されたリアドアから後部座席に乗り込むと、その空間はフィエスタやコルサよりはやや狭いのだが、ヘッドルームにはC3よりも余裕がある。前席には開放感があり、ドアパネルは安っぽく、窓も手回し式なのだが、ダッシュボードには縫い目の入ったフェイクレザーが奢られている。ちなみに、長期テストを担当しているトム・ハリソンいわく、オーディオはマイクラが一番優秀らしい。
エンジンにもスピーカーのような力強さがあればもっと良かった。最上級グレードでもエンジンは898ccの3気筒ターボで、最高出力はわずか90PSだ。かといって、燃費性能が特段優れているわけでもない。1速から2速へと変速する際には一気に力が抜けてしまう。かといってアクセルを踏み込むとやかましいので、穏やかな走りをするほかない。ペダルの配置もあまり良くないので、特に運転初心者にはおすすめできない。長期テストの累積燃費は15.2km/Lで、14.9km/Lのシトロエンとさして変わらず、5台の中でも平均的な値だった。
結論として、マイクラにもC3にも何らかの欠点はある。マイクラの無気力なエンジンを我慢して優秀なハンドリングを楽しむか、C3の乗り心地の悪さを我慢して高速安定性や個性的なデザインを楽しむか。あるいは、特段大きな欠点のないヴォクスホールを選ぶこともできる。
今回のテストにコルサを含めるかどうかについてはかなり悩んだ。新型コルサは決して運転して楽しいわけではないし、特別快適性が高いわけでもない。ただし、単なる移動手段として考えれば十分な実力を有している。2017年1月から6月までの間に、イギリスでは33,560台のコルサが売れている。イギリスで5番目に売れているモデルだ。ちなみに、旧型フィエスタは同時期に59,380台を売り上げており、イギリスで最も売れたモデルだった。
ヴォクスホールで最も売れているコルサはイギリスで2番目に人気のあるBセグメント車だ。他の4台の刺激的なライバル車と比べると、ステアリングは緩くて曖昧だし、シフトストロークも長い。シフトフィールは不正確で、かっちりとしたセアトやフォードと比べると安っぽく感じられる。タイヤノイズや風切り音は5台のうちで最もやかましいのだが、不快というほどではない。エンジンはやや粗いのだが、十分に滑らかでクルージング中は静粛性も高い。ただ、いずれにしてもエンジンの個性はコルサの凡庸性に埋まってしまう。エンジンを6,000rpmまで回すと警告表示まで出てくる。コルサのドライバーはいちいち警告しないと変速すらできないのだろうか。
オックスフォードシャーの荒野を走らせるとそれほどしなやかではないのだが、シトロエンほど乗り心地が悪いわけではない。ただ、コルサにはC3やマイクラにあるような革新性というものが存在せず、かといってフィエスタやイビーサのように洗練されているわけでもない。安価で便利なだけの移動手段に過ぎない。私の親もコルサに乗っているのだが、購入した理由は荷室に犬が入り、かつセールスマンがかなり割り引いてくれたからだ。名前を忘れてしまうほど無個性な車であっても、数多くの消費者の需要をしっかり満たしているものだ。冷蔵庫のようなものだ。自分の買った冷蔵庫の型番を覚えている人などほとんどいないだろう。
5台のうちで最も実力が高いのはフィエスタとイビーサの2台なのだが、この2台は接戦だった。とはいえ、フォルクスワーゲングループの最新プラットフォームを採用するイビーサに比肩するほど実力が高く、ハンドリングには一体感のあるフィエスタは賞賛に値するだろう。新型フィエスタはドアミラーがやたら小さくなったことで風切り音が抑えられており、エンジン音もかなり穏やかだ。一方のイビーサも操作性は非常に高く、フィエスタの領域に入り込んでいる。オールラウンダーという意味では僅差でイビーサの勝ちかもしれない。
確かに、イビーサのインテリアを見ればカップホルダーやドアハンドルに硬いプラスチックが使われているし、インテリアにはグレーばかり使われている。高級感があるとは言い難く、やや退屈な印象だ。ただ、操作系は非常に合理的に配置されているし、ステアリングは適度に小さい。タッチスクリーンは大画面で反応も良く、通常のナビやラジオ用の操作系の隣にはCarPlay用のボタンも用意されている。
セアトはイギリスで16,000ポンド程度のBセグメント車を購入する人が装備に妥協することはないということに気付いたようだ。一方、フィエスタのインテリアはイビーサほどには整然としておらず、リアの居住性も劣る。速さは2台とも同じくらいなのだが、ショートギアードなフィエスタのほうが高速では扱いやすい。ギアチェンジはフィエスタのほうが滑らかなのだが、イビーサも旧型よりは改善している。2台はさまざまな比較において拮抗している。正直、優劣をつけるのは残酷かもしれない。
ただ、必然的にフィエスタが勝利するのかもしれない。王者は王者であり続けるのだろう。フィエスタに慣れ親しんだユーザーが新型フィエスタを選んだとしても、決して後悔する必要はないだろう。ただ、皆と同じ車を持つのが嫌なら話は別だろうが。それが嫌なら、代わりにイビーサという選択肢を選ぶのもいいだろう。
Baby Drivers: Top Gear's big fat supermini super-test

向かって左側から順に、マイクラ、C3、フィエスタ、イビーサ、コルサ。
困ったことに、2017年は売れ筋の車がせめぎ合う戦国時代になりそうだ。フォードはフィエスタを年間10万台以上製造するのだが(その大半は今回試乗した上級グレードのTitaniumではなくZetecだ)、評判の良かった先代モデルから大きく変身したわけではない。
今回は比較対象として、抽象的なシトロエン・C3、漫画チックな日産・マイクラ、シャープなデザインのセアト・イビーサ、派手派手しいヴォクスホール・コルサを用意した。いずれも独自の3気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションはMTとなる。
試乗したフィエスタのボディカラーはグレーだったのだが、それを差し引いてもフィエスタ Mk VIIIのデザインは魅力的だった先代と比べると見劣りする。旧型フィエスタは停滞していたBセグメント車のデザイン水準を引き上げた。新型フィエスタは、個性の薄れたデザインで個性派揃いの競合車と戦っていかなければならない。
おそらく、新型フィエスタは旧型をベースにしているだろう。というのも、旧型は走りも販売実績も優れており、基礎がしっかりしていたため、完全新規に開発するよりも、旧型の問題点を潰すほうがよっぽどコストを抑えられたはずだ。
ただし、トニー・ブレア首相が在任中の、アトミック・キトゥンが大ヒットしていた時代を感じさせるインテリアは改善を要した。しかしそれ以外は、3気筒ターボのEcoBoostエンジンも、ハンドリングも、室内空間も、特段手を入れる必要はなかった。
新型フィエスタでは、エアコンの操作系が整理され、その上部には新しいタッチスクリーンが配置されている。ドライビングポジションも改善して、より低い着座位置に設定することも可能となった。フィエスタの室内装備は元々非常に扱いやすかったのだが、新型ではさらに質感も向上している。それに、価格もそれほど上がっていない。100PSのZetecは17,000ポンドを切る価格で、自動駐車機能や衝突防止システムが付いてくる。
コルサの2年前のモデルチェンジもフィエスタ同様保守的だったのだが、コルサのほうがより変化は少ない。旧型の悪い部分を削ぎ落とすモデルチェンジだった。新型コルサには1.0L 3気筒ターボエンジンが搭載され、タッチスクリーンも装備される。ただし、エアコンの上にスクリーンのある新型フィエスタとは違い、コルサはスクリーンがエアコンの下にあるため、運転中にApple CarPlayを使用すると視線移動が多くなってしまう。ちなみに、CarPlayは18,000ポンドの日産・マイクラ以外、試乗車すべてに装備されていた。ちなみに、マイクラには日産独自のナビゲーションシステムが装備される。
そんなマイクラはモデルチェンジで激変している。新型マイクラは暴力的なまでに変貌している。昔ながらの車が欲しい老人はヒュンダイを選んだほうがいい。変わったのは新幹線のごとき鋭角のスタイリングばかりではない。着座位置は低くなり、ステアリングはGT-R風になり、ヘッドレストにはBOSEのスピーカーが組み込まれ、シャシはミニすら脅かす「ゴーカートフィール」になっている。
Top Gear誌を購読している方はご存知かと思うが、16,000ポンドの個性的なシトロエン・C3と忍者風のマイクラは2017年3月よりTop Gear誌の長期テストを行っている。この2台には共通点も多い。いずれも旧型モデルから大胆な変貌を遂げている。
旧型C3は背が高く、ホンダ・ジャズ(日本名: フィット)にも似た実用派ファミリーカーだった。新型C3も背は高い(クロスオーバーSUVにも迫るほどだ)のだが、強烈な個性を持つC4カクタスにも似たデザインを採用し、室内は派手に飾り立てられ、ボディサイドには衝撃吸収パネルが付く。車重は今回比較した5台の中で最も軽く、ヴォクスホールよりも100kg以上軽い。
C3には1.2Lの3気筒ターボエンジンが搭載され、最大トルクは20.9kgf·mと強力だ。シャシは5台のうちでもっとも荒削りながら、パワートレインは非常に力強い。C3は快適志向で、ステアリングは軽く、変速は指一本でできるほど緩いのだが、足回りは硬めで乗り心地はあまり良くない。ただし、高速道路では非常に安定しており、快適に運転することができる。

大仰なオーディオを楽しむこともできるし、車自体の機能とは関係のないものはすべてタッチスクリーンを介して操作することになる。従来のプジョー・シトロエン車よりは扱いやすいものの、エアコンの操作を物理ボタンでできる他の4台と比べるとやはり扱いづらい。ガラスルーフは装備するべきではないだろう。これを付けると室内空間が狭くなるし、室内の温度も変化しやすくなってしまう。
旧型マイクラは醜くて安っぽい、かろうじて乗用車と呼べる程度のマレーシア製品だったのだが、新型は大変身している。コーナリングは5台の中で最もフラットだし、それでいて、スピードバンプを乗り上げた際の衝撃はC3よりも少ない。ドアハンドルが隠されたリアドアから後部座席に乗り込むと、その空間はフィエスタやコルサよりはやや狭いのだが、ヘッドルームにはC3よりも余裕がある。前席には開放感があり、ドアパネルは安っぽく、窓も手回し式なのだが、ダッシュボードには縫い目の入ったフェイクレザーが奢られている。ちなみに、長期テストを担当しているトム・ハリソンいわく、オーディオはマイクラが一番優秀らしい。
エンジンにもスピーカーのような力強さがあればもっと良かった。最上級グレードでもエンジンは898ccの3気筒ターボで、最高出力はわずか90PSだ。かといって、燃費性能が特段優れているわけでもない。1速から2速へと変速する際には一気に力が抜けてしまう。かといってアクセルを踏み込むとやかましいので、穏やかな走りをするほかない。ペダルの配置もあまり良くないので、特に運転初心者にはおすすめできない。長期テストの累積燃費は15.2km/Lで、14.9km/Lのシトロエンとさして変わらず、5台の中でも平均的な値だった。
結論として、マイクラにもC3にも何らかの欠点はある。マイクラの無気力なエンジンを我慢して優秀なハンドリングを楽しむか、C3の乗り心地の悪さを我慢して高速安定性や個性的なデザインを楽しむか。あるいは、特段大きな欠点のないヴォクスホールを選ぶこともできる。
今回のテストにコルサを含めるかどうかについてはかなり悩んだ。新型コルサは決して運転して楽しいわけではないし、特別快適性が高いわけでもない。ただし、単なる移動手段として考えれば十分な実力を有している。2017年1月から6月までの間に、イギリスでは33,560台のコルサが売れている。イギリスで5番目に売れているモデルだ。ちなみに、旧型フィエスタは同時期に59,380台を売り上げており、イギリスで最も売れたモデルだった。
ヴォクスホールで最も売れているコルサはイギリスで2番目に人気のあるBセグメント車だ。他の4台の刺激的なライバル車と比べると、ステアリングは緩くて曖昧だし、シフトストロークも長い。シフトフィールは不正確で、かっちりとしたセアトやフォードと比べると安っぽく感じられる。タイヤノイズや風切り音は5台のうちで最もやかましいのだが、不快というほどではない。エンジンはやや粗いのだが、十分に滑らかでクルージング中は静粛性も高い。ただ、いずれにしてもエンジンの個性はコルサの凡庸性に埋まってしまう。エンジンを6,000rpmまで回すと警告表示まで出てくる。コルサのドライバーはいちいち警告しないと変速すらできないのだろうか。
オックスフォードシャーの荒野を走らせるとそれほどしなやかではないのだが、シトロエンほど乗り心地が悪いわけではない。ただ、コルサにはC3やマイクラにあるような革新性というものが存在せず、かといってフィエスタやイビーサのように洗練されているわけでもない。安価で便利なだけの移動手段に過ぎない。私の親もコルサに乗っているのだが、購入した理由は荷室に犬が入り、かつセールスマンがかなり割り引いてくれたからだ。名前を忘れてしまうほど無個性な車であっても、数多くの消費者の需要をしっかり満たしているものだ。冷蔵庫のようなものだ。自分の買った冷蔵庫の型番を覚えている人などほとんどいないだろう。
5台のうちで最も実力が高いのはフィエスタとイビーサの2台なのだが、この2台は接戦だった。とはいえ、フォルクスワーゲングループの最新プラットフォームを採用するイビーサに比肩するほど実力が高く、ハンドリングには一体感のあるフィエスタは賞賛に値するだろう。新型フィエスタはドアミラーがやたら小さくなったことで風切り音が抑えられており、エンジン音もかなり穏やかだ。一方のイビーサも操作性は非常に高く、フィエスタの領域に入り込んでいる。オールラウンダーという意味では僅差でイビーサの勝ちかもしれない。
確かに、イビーサのインテリアを見ればカップホルダーやドアハンドルに硬いプラスチックが使われているし、インテリアにはグレーばかり使われている。高級感があるとは言い難く、やや退屈な印象だ。ただ、操作系は非常に合理的に配置されているし、ステアリングは適度に小さい。タッチスクリーンは大画面で反応も良く、通常のナビやラジオ用の操作系の隣にはCarPlay用のボタンも用意されている。
セアトはイギリスで16,000ポンド程度のBセグメント車を購入する人が装備に妥協することはないということに気付いたようだ。一方、フィエスタのインテリアはイビーサほどには整然としておらず、リアの居住性も劣る。速さは2台とも同じくらいなのだが、ショートギアードなフィエスタのほうが高速では扱いやすい。ギアチェンジはフィエスタのほうが滑らかなのだが、イビーサも旧型よりは改善している。2台はさまざまな比較において拮抗している。正直、優劣をつけるのは残酷かもしれない。
ただ、必然的にフィエスタが勝利するのかもしれない。王者は王者であり続けるのだろう。フィエスタに慣れ親しんだユーザーが新型フィエスタを選んだとしても、決して後悔する必要はないだろう。ただ、皆と同じ車を持つのが嫌なら話は別だろうが。それが嫌なら、代わりにイビーサという選択肢を選ぶのもいいだろう。
Baby Drivers: Top Gear's big fat supermini super-test
ここに新型ポロも加わるわけだけど、どうなるか楽しみだなあ