今回は、英国「Auto Express」による新型フォルクスワーゲン・ポロの試乗レポートを日本語で紹介します。


Polo

新型Bセグメント車が続々登場する中で、フォルクスワーゲン・ポロにも新型が登場する。ここ最近だけで新型フォード・フィエスタ、セアト・イビーサ、シトロエン・C3、スズキ・スイフトが登場しており、いずれも魅力的な車だ。

しかし、そんな中でもポロはネームバリューのある車だ。新型ポロは室内空間が増し、装備内容も充実して、デザインも新しくなっている。

革命的な変化とは言えないのだが、ルーフラインが低くなり、バンパーやライトの形状も変わったおかげでよりスポーティーなプロポーションとなっている。Bセグメント車の中では大人しいデザインであることに変わりはないのだが、その落ち着きはポロの強みでもある。やたらに目立ちたがるのを良しとしない人には魅力的に映るだろう。

MQBプラットフォームを採用した結果、旧型よりも全長が伸びているにもかかわらず、軽量化を果たしている。また、荷室容量やレッグルームも拡大している。

インテリアデザインは従来モデルとはまったく異なり、ディスプレイも大型化してより先進的なインテリアとなっている。

インテリアには高級感があり、フォード・フィエスタよりずっと上質だ。ただし、同じMQBプラットフォームを採用するセアト・イビーサとの差は小さい。インテリアにはソフトな材質が使われており、シートも快適で質感は高いのだが、安っぽいプラスチックも散見される。ポロにはゴルフとの共通性も見て取れるのだが、同時にコストカットの跡も感じられる。

interior

新設計のアクティブインフォディスプレイもオプション設定される。これを選択するとアナログメーターが11.7インチスクリーンに変わり、スピードメーターやタコメーターだけでなく、ナビ画面や各種情報を表示させることもできる。Bセグメントでこの機能を持つ車は現時点ではポロしかなく、新型ポロの強みの一つと言えるだろう。ゴルフのディスプレイと比べるとグラフィックは劣り、特にセンターパネルのナビディスプレイと比較するとナビ画面の解像度は低く感じられるのだが、それほど高価なオプションではない(400ポンド程度になると予想される)ので、装備する価値はあるだろう。

ダッシュボードの8インチ大型タッチスクリーンディスプレイもBセグメント車としては大画面だし、イギリス仕様車にはこのディスプレイが全車に標準装備となる。グラフィックは精細でデザインも良く、応答性も高い。

たくさんのエンジンが用意されるのだが、発売当初は1.0Lガソリンエンジンしか設定されない。とはいえ、このエンジンには自然吸気版が2種類(65PSと75PS)とターボ版のTSIが1種類(95PS)用意される。後に116PSのTSIも追加される予定で、加えて、1.5Lガソリンエンジン(150PS)と1.6Lディーゼルエンジン2種類(80PSおよび95PS)も登場予定だ。

フォルクスワーゲングループ製の1.0Lガソリンエンジンの優秀さは既に知っているし、今回試乗した95PS版のTSIエンジンも同じように優秀だった。経済性も高く、燃費は22.2km/Lを記録する。価格はディーゼルよりも安価だし、短距離の移動には非常に適したパワートレインだと感じた。

排気量は小さいながらもパワーは十分以上だし、個性的な3気筒サウンドのおかげで回したくなるエンジンだ。試乗車は7速DSGだったのだが、これはあまりおすすめしない。変速は滑らかなのだが変速のタイミングは遅い。マニュアルのほうが安価だし扱いやすい。

5速MTは姉妹車のイビーサと同じくらい優秀だ。軽いし操作性も良好なので楽しく運転することができる。パワートレイン全体で見るとフィエスタよりやや成熟した印象だったのだが、一方でフィエスタのエンジンのほうが活き活きとしていて楽しい。

rear

操作性に関しても似たようなことが言える。フィエスタのシャシは敏捷性やグリップ、快適性をうまく両立しており、非常に楽しい。ポロのシャシも同じようにバランスは取れているのだが、今回はドイツの舗装の良い道路での試乗だったため、舗装の悪いイギリスの道路でフィエスタと比較してどうかということは分からない。ただ、ちょっと舗装の悪い場所でも快適だったのは確かだ。

試乗車にはオプションのスポーツセレクトが装備されていた。これは走行モードによってダンパーの減衰力を変更することのできる機能だ。スポーツモードにするとダンパーが硬くなってロールが抑えられる。このモードでもフィエスタほど運転していて楽しいわけではないのだが、それでもなかなか良い走りを見せてくれる。ステアフィールはあまり豊富ではないし、少し軽すぎる気もするのだが、新型ポロも乗り心地と操作性を高い次元で両立しているのは確かだ。

ボディサイズが拡大しており、リアシートのレッグルームも向上している。スズキ・バレーノやホンダ・ジャズ(日本名: フィット)ほど広いわけではないのだが、フィエスタやイビーサとは同等だ。荷室容量は旧型より71L増加して351Lとなっており、フィエスタおよびイビーサ(いずれも292L)より広く、バレーノ(355L)やジャズ(354L)と同等だ。

ポロはBセグメント車の中でも高価な部類に入るのだが、新型ポロの価格も高くなりそうだ。新型は5ドアのみの設定となるため、エントリーモデルの価格も上がるだろうし、装備内容は従来より充実しているため、若干のインフレが起こるかもしれない。しかし、価格設定が高すぎれば、コストパフォーマンスの非常に高いフォード・フィエスタに対抗することはできないだろう。


New VW Polo 2017 review