今回は、英国「Auto Express」によるキャデラック・XT5の試乗レポートを日本語で紹介します。


XT5

キャデラックのブランドイメージを向上させるため、GMは新型モデルの開発に120億ドルの投資を行った。投資対象となったモデルには新型XT5も含まれる。CT6とは違い、XT5はイギリス市場では販売されていないのだが、欧州市場では販売される予定だ。

ボディサイズはBMW X5とおおむね同一なのだが、大型フロントグリルや平板なボディパネルのおかげでX5よりも大きく見える。デザインは個性的だし、世界のどこででも受け入れられるデザインだろう。ただ、欧州市場で販売されている精悍なライバル車よりもXT5のデザインを好む顧客はそれほど多いとは思えない。

インテリアデザインについても同様で、このクラスのSUVに求められるような高級感や独自性がこの車にはない。質感の高い素材が使われてはいるのだが、場所によっては安っぽい素材も用いられており、がっかりしてしまう。スイッチ類のデザインもあまりよろしくない。

interior

ボディサイズは大きいのだが、インテリアはそれに反して狭く、見た目とのギャップは大きい。リアシートのヘッドルームは不十分だし、後部座席に大人を乗せるためには前席を普段より前にスライドさせる必要がある。

XT5に搭載されるのは新設計の自然吸気3.6L V6エンジンで、最高出力314PS、最大トルク37.5kgf·mを発揮する。新設計といってもこのエンジンは非常に古典的で、回転数の上昇もゆっくりしているし、排気音も粗い。CTSやCT6に搭載されている3.0L V6ターボエンジンとはまったく性格が異なる。

経済性も低く、排気量を考えればパフォーマンスも高くない。燃費は10.0km/Lとそれほど良くないし、0-100km/h加速も7.5秒と今の水準で考えると特別速いわけではない。エンジンのパフォーマンスはそれほど高くなく、4WDシステムによって生み出されるグリップがこの加速を実現している。

rear

エンジンも残念なのだが、それ以上に8速ATが運転の楽しみを削いでしまう。この8速ATは反応が遅く、まともなギアを選択することもできないし、アクセルを踏むのをやめてもしばらくはシフトアップしてくれない。シフトレバーも使いづらいのだが、シフトパドルについてはCT6の安っぽいパドルよりはましだ。

XT5の乗り心地は硬すぎる。今回はドイツで試乗したのだが、コーナリング中のロールも酷かった。ステアリングは重さも適度で悪くないのだが、足回りが不安定なので速く走らせても楽しくないし、中速域だと乗り心地が悪い。

特に助手席の乗り心地が悪く、走行中には室内の数ヶ所からガタガタと音が聞こえてきた。街中の低速走行時の乗り心地はそれほど悪くないのだが、変速が不適切でエンジンがやかましいので、街中を落ち着いて走ることもできない。


New Cadillac XT5 SUV 2016 review