今回は、英国「Auto Express」によるフィアット・パンダの試乗記を日本語で紹介します。


Panda

小型車はフィアットの得意分野であり、パンダもその例外ではない。パンダは登場から31年間で640万台が販売されており、新型モデルにかかる期待も大きい。意外かもしれないが、この新型モデルはまだ3代目だ。嬉しいことに、新型もこれまでの流れをちゃんと汲んだ車に仕上がっている。

フルモデルチェンジを経ても陽気な外観は変わっていない。全長、全幅、全高はいずれも拡大している。旧型では角張っていたデザインはより丸みを帯び、「スクワークル」(スクエアとサークルの中間)がデザインモチーフとなっている。デイライトやボディ同色バンパーは標準装備で、ガラス面積も大きくなり、従来よりモダンな印象に変わっている。

rear

「スクワークル」のテーマはインテリアにも適用されている。スイッチ類や計器類、シフトレバー、そしてサイドブレーキに至るまで、ちゃんと角が取られている。ダッシュボードは見た目もスタイリッシュだし実用的だ。プラスチックの材質も変更され、より上質になっている。ダッシュボードには初代パンダのような大型の収納ポケットもあり、室内にはグローブボックスも含めると合計で13個の収納スペースがある。

ボディサイズは拡大しているのだが、リアシートのレッグルームは依然として狭く、膝が前席のシートバックに当たってしまう。ただ、荷室容量は225Lまで拡大し、ヒュンダイ・i10と同等になった。オプションのリアスライドシートを選択すれば実用性はさらに上がるだろう。通常モデルは4人乗りで、リアセンターヘッドレストおよびシートベルトと、リアシートの6:4分割可倒機構は有償のオプションだ。

interior

フィアットの第二世代 1.3 16V マルチジェットディーゼルエンジンはパンダと相性抜群だ。最大トルクは19.4kgf·m/1,500rpmまで増加し、低速域ではより扱いやすく、高速域ではより快適になっている。サスペンションは刷新されており、街中にも郊外にも適している。ステアリングは軽くて正確なので非常に運転しやすく、シティモードにするとさらに運転が楽になる。高速域でのスタビリティも高く、ロールもほとんどないので、安心して飛ばすことができる。

ディーゼルモデルにはアイドリングストップシステムが標準装備され、CO2排出量は104g/km、燃費は25.6km/Lだ。


Fiat Panda UK drive